研究課題/領域番号 |
18K11481
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
林 陽一 明治大学, 理工学部, 専任教授 (20189666)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ディープラーニング / 医用画像 / 透明性 / 解釈可能性 / 構造化データ / 放射線画像 / ルール表現 / 病理画像 |
研究実績の概要 |
ディープラーニングはコンピュータビジョンへの適用が学術論文では中心である。本研究課題では、先ず、画像の中で医用画像、特に放射線学、病理画学、眼科学における画像に焦点をあてホワイトボックスされたディープラーニングを開発するために必要とされる正しい方向について提案した。放射線学におけるディープラーニングの透明性に向けて、量的(精度重視AI)から質的(分かり易いAIへの変革について研究した。放射線画像および病理学画像におけるディープラーニングに関して新しい統一的視点について、量的な取り組みを超えて高い質を実現する方法を研究した。これらの取り組みは医用画像を更に広い領域の工学画像に拡大できる可能性についても提案している。
画像を用いずに生化学検査の値を用いてAIベースのルール抽出アプローチを用いた糖尿病性腎臓病の早期発見をより低い尿アルブミンのレベルを用いて検出する方法を提案した。透析前の慢性腎臓病である患者の腎貧血に関してヘモグロビンの上限値を導出するためのAIベースのルール抽出アプローチを提案した。区間で与えられる不完全なデータを分類するためのラフ集合によるサポートベクターマシンも提案している。 上記の様に構造化データだけでなく医用画像を例にとり医用画像を領域の専門家が知識を加える事により既に提案しているdeep belief network (DBN)により生成されたdeep neural networks (DNNs)からルールを抽出する問題に帰着させる事に成功しておりディープラーニングと記号的ルールの融和に大きな進展をもたらした。これらはディープラーニングが今後、コンピュータビジョンにおける画素の入力だけでなく実数値など場合も活用できる事を示している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2019年度に本研究課題に関する6編の査読付き論文を発表して特徴抽出画像のルール表現・透明化の実現領域を医学領域を中心とした実用的な方向に拡大しており格段の成果を上げている。
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今後の研究の推進方策 |
医用画像はベンチマークに供される画像データはコンピュータビジョンと比較すると限られている。また、医師、放射線医、病理医との連携が不可欠であるのでより実用的な医用画像データに対して透明性およびルール表現ができるようにアルゴリズムの改良し、医用画像システムに発展させる事を試みる。
画像については医用画像だけでなく他の様々な領域において当該領域における専門家の知識を援用できる場合を中心に更に適用範囲を広げる。また、コンピュータビジョンで扱われる画像は画素数が20万画素程度であり放射線画像の方がずっと大きい。病理画像は更に遙かに大きい。2年間の研究を通じて画像の透明化およびルール表現による解釈力の向上は画素数には依らない事が分かってきた。今後の課題の二番目に大事な事は産業用工学画像などの様に用途が決まっており画像を判断する人も領域の専門家に限られている場合は医用画像と同じような考え方大きな進展が図れると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
その他の金額について費用が発生したが未使用額である50,742円を上回ったため科学研究費で支払えず、他の予算から支払った。結果として50,742円が2020年度の使用額とした。
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