研究課題/領域番号 |
18K11482
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
鳥飼 弘幸 法政大学, 理工学部, 教授 (20318603)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 非同期離散状態システム |
研究実績の概要 |
本研究では,非同期離散状態システムを用いた生物模倣ハードウェアの系統的な設計手法の整備とその神経補綴装置の設計への応用に取り組む.3年間の研究期間を通して,具体的には,例えば以下などのテーマに取り組む.(1)従来の非線形力学システム理論で用いられている様々な解析手法を参考にして,非同期離散状態システムの系統的な解析手法を整備する.(2)前述の解析手法と最新の離散最適化手法を駆使して,非同期離散状態生物システムモデルの生体計測データへのフィッティング手法の整備に取り組む.そして,次世代の人工内耳の開発を念頭に置いた蝸牛モデルや,人工海馬などの脳の神経補綴装置の開発を念頭に置いた神経細胞集団モデルを設計する.(3)小型で低消費電力な非同期離散状態生物模倣ハードウェアの系統的な設計手法を整備し,その優位性をFPGAなどを用いた実機実験によって検証する.また,超低消費電力な神経補綴装置の開発を念頭に置いて,量子ドットセルオートマトンなどのポストCMOSデバイスを用いた非同期離散状態生物模倣ハードウェアの設計法の整備にも取り組む.2018年度は,主に(1)の内容に取り組み,非同期離散状態システムを用いた生物リズム発生機構モデルの解析手法などを整備した.また,量子ドットで実装された離散状態システムの理論解析手法や非同期離散状態システムを用いた神経細胞モデルの理論解析手法の開発にも取り組んだ.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年度は,(1)非同期離散状態システムを用いた生物リズム発生機構モデルの解析手法を開発し,(2)量子ドットで実装された離散状態システムの理論解析手法を開発し,(3)非同期離散状態システムを用いた神経細胞モデルの理論解析手法を開発した.またそれらの成果の多くは学術論文誌で公表した.以上のことから,現在までの進捗状況は,おおむね順調に進展していると判断できる.
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は,主に非同期離散状態生物システムモデルの生体計測データへのフィッティング手法の整備に取り組む.また2020年度は,主に小型で低消費電力な非同期離散状態生物模倣ハードウェアの系統的な設計手法の整備に取り組む.
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次年度使用額が生じた理由 |
大学の異動に伴い,当初2018年度後半に実施しようと予定していた実験の実施時期を2019年度に変更したことにより,同実験に必要な機器を2018年度中に購入する必要がなくなったため.
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