研究課題/領域番号 |
18K11491
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研究機関 | 会津大学 |
研究代表者 |
矢口 勇一 会津大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (00609109)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 分散システム / 自動航空管制 / Blockchain / 人工ポテンシャル場 / Detect and Avoid / LoRa変調 / 群制御 |
研究実績の概要 |
本年度は、Blockchainを自動航行管制システム(UTM)へ応用する際の種々の要件を定義し、Blockchainを用いる部分とそうではない部分の棲み分けを行ったうえで研究を行った。特に、Blockchainは、UTMにおける航路予約には用いることはできるが、フライト時の衝突回避ではリアルタイムに経路の再設定等を行うことができないことが分かった。そのため、本件のBlockchainでは、予約部と、実際の航路のデータストアに利用するだけにとどめ、この部分をHyper Ledger Fablicと呼ばれる既存のBlockchainのミドルウエアを用いて構築した。また、それ以外の、多体の衝突回避を行う部分については、Waypoint型のプランニングに対して、人工ポテンシャル場を用いて計算することで、多体の衝突回避を実現するアルゴリズムを開発し、LoRa変調方式を用いた920MHz帯電波を運用することで、ランダムに優先順位が変化する場合の衝突回避がどのように変化するかをシミュレーションを用いて実験するようにした。 Blockchainによる航路予約システムでは、航路となる領域を、1m間隔のメッシュを想定したエリアに対して、航路情報をビット列で生成、Hyper Ledger Fablic上のスクリプトを用いて接続されているノードに対して航路情報を配布し、自分の保持している航路情報とバッティングが無ければ、許可するという方式にした。試験の結果、NEDO DRESS Projectで指定されている台数分であれば、1~2分に1回のネゴシエーションが可能であることが確認された。人工ポテンシャル場を用いた衝突回避アルゴリズムとLoRaによるテレメトリと併せて、今後は、実際に動くシステムをRaspberry Pi上に展開することを目標とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画と比較して、出来ることとできないことが明確になっていること、既存のBlockchainミドルウエアでは達成しにくいことが早々に明らかであるので、Raspberry Pi上で動かすことのできる軽量のBlockchainソフトウエアを作成して、試験を始めていること、別プロジェクトとの兼ね合いに依るが、LoRa変調方式を用いたテレメトリシステムが既に実現されていること、人工ポテンシャル場を用いた衝突回避手法に対して、国際会議ないしJournalへの投稿を進めていること、それらを全て包括的にシステム化する段階に既にある事、27台の隊列フライトを別のプロジェクトで可能としたが、このシステムに乗せらえるように現在進めていること等、非常に多くの他のプロジェクトや他の研究との相互の乗り入れが可能であったため、当初よりも進展していると考えられる。この結果、当該のシステムに対しても、ICIUS2019と言う国際会議にも方式を提案できるようになっている。
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今後の研究の推進方策 |
前年度までの成果を、Raspberry Pi上に展開し、システムとして使用できるものに構築するのが今年度の課題となる。物品やアルゴリズム等は既に実現可能なレベルとして確保できている上に、シミュレーション環境も充実しているため、今年度可能であれば、2~3台での実機でのテストも視野に入れて開発を進めていきたい。また、JUTM等の日本の自動航空管制を扱う団体等で、これらの試験的なシステムについての事例を紹介していく予定である。
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