研究課題/領域番号 |
18K11491
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研究機関 | 会津大学 |
研究代表者 |
矢口 勇一 会津大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (00609109)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 分散システム / 自動航空管制 / Blockchain / 経路自動生成 / Detect and Avoid / LoRa変調 / 群制御 |
研究実績の概要 |
本年度では、独自の軽量ブロックチェーンソフトウエアをRaspberry Pi用に開発し、Raspberry Pi 50台上でのシミュレーション実験を行った。Raspberry Pi上では、オープンソースのUAV用フライトコントローラー(Ardupilot)をSoftware in the loop (SITL)で走らせ、それに対して秒間1回~10秒で1回程度の予約セッションを走らせられるようにした。結果として、NEDO DRESS PROJECTでの試算から算定した、1区画10km x 10kmに対して1日5000フライト程度であれば、10秒間1回の予約セッションで十分30台分の情報を共有することができるようになった。未だ、実機でのテストは行うことができていないが、利用しているUAVはArdupilotを用いているため、そのまま利用することが可能であることから、次年度中には実施したい。 また、本年度において、他のプロジェクトと併せてとなるが、920MHz帯LoRa方式の通信を用いて8台分のドローンを高度1200mまで隊列フライトさせること、またその隊列についてアルゴリズムを開発し、事前に衝突しない準最適経路を構成し推薦することができるようになっている。この技術も用いて、衝突するような予約が入った場合においても、衝突を回避して予約を行うことができるようになった。 この件に関して、国際会議1件、国内発表1件を行い、また、論文誌への投稿、書籍の一チャプターへの投稿等を現在行っている。 次年度以降、920MHz帯LoRa方式をバケツリレー的に用いた、飛行時航空管制についても視野に入れて、システムを構築する。なお、内容としては、Bitcoin等で用いられている、Lightning Networkを模したものを考察している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実機における検証まで進んではおらず、この部分に関しては若干遅れがあるが、既にシミュレーションとしては50台程度のUAVの予約及びフライトに成功しており、システムとしてもほぼ実機に搭載できる状態でのシステムを作成できていることから、次年度中には実機検証が行えるものと思われる。また、920MHz無線システム(LoRa変調方式)を当初使用する予定であったが、購入が遅れている。しかしながら、他のプロジェクトの流用で920MHz無線システムもすでに開発済みであり、実機実証も済んでいることから、こちらも次年度中への実機検証を行うことを考えている。 一方で、進展があったのは、予約システム、Detect and Avoid型の回避システムに加えて、経路自動生成アルゴリズムを開発し、それが利用できるようになっていること、また、920MHz無線システムの特徴を捉えて、Lightning Networkの方式によるDetect and Avoid型回避システムのBlockchainとの融合を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
前述のとおり、実機での実証を行うことを検討している。実機検証の場所も限られており(学内では非常に狭いところでの密なフライト、南相馬ロボットテストフィールドを利用できればより大規模にできるが、台数が必要)、フライトプラン等を検討する必要がある。また、Detect and Avoid型の回避システムを、Lightning Network方式の通信を920MHz LoRa変調方式の通信を用いて実装し、シミュレーション実験を行う。作成されたソフトウエアは、一部を除いて(経路自動生成アルゴリズム部分)、オープンソースとして貢献したい。
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