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2018 年度 実施状況報告書

少数データで学習する深層学習のための効率的な学習サンプル生成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K11495
研究機関中京大学

研究代表者

目加田 慶人  中京大学, 工学部, 教授 (00282377)

研究分担者 村瀬 洋  名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (90362293)
道満 恵介  中京大学, 工学部, 講師 (90645748)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード深層学習 / データ生成 / パターン認識
研究実績の概要

本研究の目的は,画像認識を対象とした深層学習において,用意できる学習サンプル数が限られているときのデータ生成効果を最大化する学習サンプル生成法を明らかにすることである.本年度の第1の成果としては,肝臓がんを検出するための学習画像生成があげられる.これは,事例ベースの学習データ生成として従来から提案している,ポアソンブレンディングによる画像合成法,シグモイド関数による方法に加え,敵対的画像生成法であるGANを利用した方法の検討を進めたことである.GANでの生成において問題となっていたのは,肝臓辺縁部などで他臓器との濃淡変化の急激な変化があるような例を生成できないことであったが,CGANによる生成とオートエンコーダによる選別を加えることで,辺縁に存在する病変とそうでない病変を選択的に生成できる仕組みを構築した.その結果,正検出率を殆ど変えずに,誤検出率を大幅に低下させることに成功した.また,これ以外の成果として,料理画像の魅力度を推定する回帰問題への適用もある.これは,料理画像に魅力度を付与するためには被験者実験が必要となるが,多数の画像に魅力度を付与することは非常に困難であるという問題に対応したものである.魅力度の目標値を大きく変えることなくデータ増強する方法を提案し,その有効性を示した.また,第二次世界大戦前の手書き公文書の自動解読を目的として,データ整備を進めているが,深層学習による文字認識においてデータの不均一性に起因する,サンプル数が少ないカテゴリの認識率低下に対応するためのデータ増強手法を開発し,認識精度の向上が確認された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

深層学習のためのデータ生成について,医用画像を対象とした部分では,原著論文,国際会議の招待講演,国内会議がそれぞれ1件というまずまずの成果である.また,これら研究活動を通して新たな共同研究を検討しており,より大量のデータでの検証実験ができる可能性が出てきた.また,料理画像に対する魅力度推定という回帰問題に関する取り組みについても国内や国外での発表ができている.

今後の研究の推進方策

進捗状況で示したように新たな大規模検証実験を進めることで,どのようなデータを生成することが分類精度向上に有効であるのかを明らかにすることを目的とする.そのために,医用画像については,学習データのアピアランスの分布と精度の関係を解析する.また,料理画像については,引き続き人の知覚を重視し,回帰誤差を低下させない新たな学習サンプルの重点的生成手法の開発を実施する.

次年度使用額が生じた理由

他の研究予算にて深層学習用のGPU計算機を入手することが可能となったため,当該年度の予算を繰り越すこととなった.次年度と合わせて引き続き研究環境を整備することに利用する.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 人工的病変画像を用いたCNNによる転移性肝がん検出手法2018

    • 著者名/発表者名
      小西 孝明, 道満 恵介, 縄野 繁, 目加田 慶人
    • 雑誌名

      Medical Imaging Technology

      巻: 37 ページ: 46-50

    • DOI

      https://doi.org/10.11409/mit.37.46

    • 査読あり
  • [学会発表] Character recognition of modern Japanese official documents using CNN for imblanced learning data2019

    • 著者名/発表者名
      Zongjhe Yang,Keisuke Doman,Masashi Yamada,Yoshito Mekada
    • 学会等名
      Int. Workshop on Advanced Image Technology
    • 国際学会
  • [学会発表] 機械学習を用いた異常検知による経時天体画像からの変光星候補の絞り込み2019

    • 著者名/発表者名
      岩野 勇弥,道満 恵介,高妻 真次郎,目加田 慶人
    • 学会等名
      動的画像処理実利用化ワークショップ
  • [学会発表] 料理写真の高精度な魅力度推定のためのデータ拡大の検討2019

    • 著者名/発表者名
      服部 竜実,道満 恵介,井手 一郎,目加田 慶人
    • 学会等名
      動的画像処理実利用化ワークショップ
  • [学会発表] 肝臓がん検出器のための3D-DCGANを用いた学習用画像生成法2019

    • 著者名/発表者名
      池田 裕亮,小西 孝明,道満 恵介,縄野 繁,目加田 慶人
    • 学会等名
      第37回日本医用画像工学会大会
  • [学会発表] Learning sample generation for detecting liver cancer using 3D-CNN2018

    • 著者名/発表者名
      Yoshito Mekada,Keisuke Doman
    • 学会等名
      40th Int. Engineering in Medicine and Biology
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] A study on the factors affecting the attractiveness of food photography2018

    • 著者名/発表者名
      Tatsumi Hattori,Keisuke Doman,Ichiro Ide,Yoshito Mekada
    • 学会等名
      10th Workshop on Multimedia for Cooking and Eating Activities
    • 国際学会
  • [備考] 中京大学目加田・道満研究室

    • URL

      https://md.sist.chukyo-u.ac.jp/

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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