本研究では筆者が長年取り組んできた幼児期の草木染活動において,年長児を対象とした年間を通した藍染活動の感性教育的価値を検証することを目的とした。とくに,現行の指導要領に明記された「持続可能な社会の担い手育成」の観点に立ち,そのプログラムが果たすESD(環境教育)効果について,一定の検証をすることができた。一方で,新たに取り組んだ客観手法として,熱画像による効果検証については課題を残すこととなった。今後も保育実践を重ねることで残された課題について探求したい。また,実践の中で見られた配慮が必要な園児の変容を手がかりに,特別支援教育への展開も視野に伝統染織の現代的意義を問いたい。
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