感性情報データ構造の研究については,群ロボットおける個性を表現する感性データ構造からの各感情の表現と,他のロボットによる作用に対する応答についてモデルを提示した。他のロボットに問い合わせを送信し,その問い合わせに対して,自分の感性情報データから重み関数による返答を合成し送り返す。問い合わせをしたロボットは,問い合わせの返答から相手の感性的な状況を推察する。この手法により,相互による協調作業などに必要な相互認識を少ないデータ量で交換できる可能性を得ることが出来た。また、複数のロボットにおける擬似的な感性を持つロボット同士間の通信における擬似的な感性に基づく個性的な応答のモデルを構築することができた。 協調行動のモデルとしてゲーム理論を用いた協調行動を取り上げた。各エージェントの意思決定の相互作用を研究するゲーム理論の中でも限られた情報の中で相手の行動を予想し、自身の行動を決定することが可能な非完全情報ゲームのモデルとした。この非完全情報ゲームを用いて、少ない情報伝達回数で各エージェントの協調行動を誘導出来る行動選択方法の提示ができた。 これらの感性情報を搭載した実際の群ロボットの行動については,実機を製作して行った。群ロボットに必要な情報として、お互いのロボットの認識や位置関係の取得が重要だと考え、それぞれの情報入手手段として、ロボットの認識に物体検出や色認識、位置関係取得に方位の取得方法や距離の取得についての検証を行った。また,それらの機能を実装したロボットを製作した。
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