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2019 年度 実施状況報告書

モノやコトに関する人の感性の階層的モデル化手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K11510
研究機関京都産業大学

研究代表者

荻野 晃大  京都産業大学, 情報理工学部, 准教授 (40407870)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード感性工学 / 感性情報学 / 感性モデル
研究実績の概要

本研究の目的は,モノ(例:製品)やコト(例:旅行)に関して人々の抱く感性の過程を数理的にモデル化し,モノとコトに関する感性をコンピュータ上でシミュレーション可能とする仕組みを開発することである.
本年度は,昨年度設計した数理的なモデルを用いて人が音楽から抱く印象を推定し,それを用いて人の気分をポジティブに変化させるプレイリストの設計とその評価実験を実施した.楽曲に対する印象は,感情をモデル化に用いられている覚醒度を参考に,「Low」 (とても活動的ではない), 「Low-Middle」 (やや活動的ではない), 「Middle」 (すこし活動的ではなく,すこし活動的である), 「Middle-High」 (やや活動的である), 「High」 (とても活動的である)とした.人の心理を評価する指標としては,ポジティブ情動を計測するPANAS(The Positive and Negative Affect Schedule)と多面的感情評価尺度を用いて評価した.プレイリストに利用した楽曲は歌詞のあるポップス楽曲を用いた.その結果,楽曲の印象を良い精度で推定できたことにより,人の気分をポジティブに変化させることに成功した.また,人の気分をポジティブに変化させるためには,必ずしも知っている曲である必要はなく,楽曲のもつ印象が重要であるという結果が示された.
その結果を論文としてまとめ,the International journal of Affective Science and Engineering に採録されることとなった.また,昨年度に,実験した結果をまとめて,ISIS 2019 & ICBAKE 2019において発表を行なった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度は,昨年度作成した混合多項分布モデルを用いた感性のモデル化した仕組みを利用して,音楽を対象とした人の気分をポジティブに変化させるアプリケーションを開発し,論文化することができた.しかしながら,トピックモデルによる感性のモデル化に関しては,良い成果を得られていない.今年度も,トピックモデルによる感性のモデル化に注力していく予定である.

今後の研究の推進方策

令和2年度は,令和元年度に取り組んだ,多くの人に共通する判断過程,個人に属する判断過程に関係する感性情報を適切に収集できるようにプロトタイプの改良を行ってきた.また,音楽を対象としたアプリケーションを作成し,論文化した.また,令和元年度に取り組んだ複数の印象や気分を併せ持つ感性をモデル化するために収集したデータに対して令和2年度も,LDA(Latent Dirichelet Allocation)を適用したモデルの改良を進め,モノやコトに対する複数の感性を推定できる仕組みを考案し, 感性の推定精度の向上を目指す.

次年度使用額が生じた理由

令和元年度に投稿した論文の掲載料の支払いが,来年度になったことと,令和元度において研究した成果を論文としてまとめていたが,データ整理と論文作成における推敲に時間を有したために遅れが生じ,その投稿が令和2年度になってしまったため,来年度に繰越を行った.繰越金は,論文の掲載料,投稿料等に利用する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Impression-Based Music Playlist Generation Method for Placing the Listener in a Positive Mood2020

    • 著者名/発表者名
      Akihiro OGINO, Yuta Uenoyama
    • 雑誌名

      nrtaenrsnactitoionnasl JoofuJranpaalnofSAofcfeiecttyivoefEKnagnisneieEring

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.5057/ijae.IJAE-D-19-00016

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Estimation System of the Mood in a Group Using Smartwatches for Supporting a Positive Experience at Tourism2019

    • 著者名/発表者名
      Akihiro OGINO, Yusuke Ikematu
    • 学会等名
      the 20th International Symposium on Advanced Intelligent Systems and 2019 International Conference on Biometrics and Kansei Engineering
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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