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2020 年度 実施状況報告書

モノやコトに関する人の感性の階層的モデル化手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K11510
研究機関京都産業大学

研究代表者

荻野 晃大  京都産業大学, 情報理工学部, 准教授 (40407870)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード感性情報学 / 感性モデリング / 感性情報処理
研究実績の概要

本研究の目的は,モノやコトに関して人々の抱く感性の過程をモデル化し,モノとコトに関する感性をコンピュータ上でシミュ レーション可能とする仕組みを開発することである. 本年度は,コトの例として旅行を題材とし,Apple Watchを利用して複数人から旅行中の脈拍を計測し,ネットワークを介してその情報をサーバーに集約する仕組みを用いて,複数人で構成されているグループの観光中の感情状態を推定する仕組みの研究を進めた.
具体的には,複数人の脈拍値の変化の同期に注目し,観光中において,10分間を一つの区切りとして,その区切り内で脈拍値の同期の発生の有無を調査した.例えば,60分で観光した場合には,6つの区切りが生成されることになる.区切り内でグループメンバーの同期が一定量発生している場合,その区切りの期間ではそのグループは「ポジティブな状態である」と推定する.一方,区切り内でグループメンバーの同期が一定量起こっていない場合は,その区切りの期間ではそのグループは「ポジティブな状態でない」と推定する.したがって,全区切りを通して,「ポジティブな状態である」が多い場合は,そのグループの観光は「ポジティブな状態であった」と推察できる.
この結果と,実際に京都市内(観光スポットがたくさんある場所)にてコロナ前に実施した実地実験においてグループの旅行前,中,後の心理状態を,心理尺度であるPANAS(Positive and Negative Affect Schedule)を用いて計測した結果とを比較した.その結果,本研究で開発した仕組みにより推定したグループの心理状態とPANASにより測定したグループの心理状態との結果の間に関連性が見られた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナの影響により,実地実験を予定通りにうまく行うことができず,過去のデータを持ちいた仕組みの設計に計画を変更した.そのため,研究成果をまとめることができなかった.本年度は,昨年度の研究の成果をまとめ,論文を論文誌に投稿する予定である.

今後の研究の推進方策

本研究は,3年計画であったが,コロナの影響により,実験等の変更の必要に迫られたため,当初の期間内にで成果を論文にまとめることができなかった.そのため,今年度は,これまでの研究成果をまとめ,論文誌に論文を投稿することを目的とする.

次年度使用額が生じた理由

コロナ感染症の影響により,実験内容や実験スケジュールに大幅な変更が起きたため,その成果を今年度内で論文にまとめることができなかった.そのため,次年度に,研究成果をまとめ,論文誌に投稿するための費用(投稿料,掲載料など)を主目的として利用する.また,追加の実験が必要になった時の謝金や消耗品の購入にも利用する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 楽曲に対する個人の印象に基づいてポジティブな気分への変化を促すプレイリスト設計法2021

    • 著者名/発表者名
      守留俊輝,荻野晃大
    • 学会等名
      日本感性工学会
  • [学会発表] 複数人の気分を盛り上げる楽曲の構成における未知・既知曲の効果2020

    • 著者名/発表者名
      荻野晃大
    • 学会等名
      日本感性工学会

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公開日: 2021-12-27  

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