神経系でスパイク列により情報が運ばれるがどの統計量が情報キャリアか不明である。神経回路網理論によれば構成素子への入力に回路網構造が反映され、活性化関数に神経回路モデルの情報キャリアが依存する。神経細胞はノイズを持つ非線形の素子であり、スパイク生成は過去の神経活動に依存する。従って、スパイク生成が過去の神経活動へ依存する構造を調べる必要がある。我々は確率的神経細胞モデルの入出力特性を調べるため統計的大域挙動を表す線形作用素を構築した。この線形作用素の特性から確率的神経細胞モデルの挙動がわかる。しかし、線形作用素に必要な推移確率密度関数の構築には困難が伴う。これを克服することを目標に研究を行った。
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