人間の動画像を対象とした各種の認識技術や計測技術は近年急速に発展したが、動物の行動を自動的に認識し計量する研究は比較的少数に留まっていた。本研究により開発された各種の手法は、主に医学や薬学の分野で動物を用いて行われる行動観察実験の精度を高めるのに貢献するだけでなく、近年需要が高まりつつあるペット産業分野や畜産業および水産養殖業で、動画像を用いて動物の行動を計量し異常検出を行うなど、様々な応用が期待される点で社会的意義がある。また、繰り返し行動および特徴的行動の自動検出や、単色生物の動き検出の高精度化など、従来殆ど研究されていなかった分野で成果があったことに学術的意義がある。
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