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2021 年度 実績報告書

細胞内局在変化を起こすアイソフォームの網羅的探索と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K11543
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

今井 賢一郎  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (80442573)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードアイソフォーム / 細胞内局在部位変化 / ターゲッティングシグナル予測 / 選択的スプライシング / 選択的翻訳開始点 / 多機能性タンパク質
研究実績の概要

本研究は、選択的スプライシングや選択的翻訳開始点によって、アイソフォームレベルでの細胞内局在部位の変化により機能調節を行う遺伝子の新規発見及び機能の解明を目指すものである。
本研究では、これまで、ヒトの58643アイソフォーム配列(18841遺伝子)で構成されるデータセットと、独自手法であるミトコンドリア移行シグナル(MTS)予測法MitoFatesと既存のERシグナルペプチド予測法SignalP5.0を組み合わせ、局在化シグナル欠失/獲得の予測によるアイソフォームレベルで局在部位変化を起こす遺伝子を探索するパイプラインを構築した。このデータセットと探索パイプラインを用いた網羅的探索により、アイソフォーム間で、ミトコンドリア局在の変化が起こる可能性がある741遺伝子、ER局在の変化が起こる可能性がある1055遺伝子をそれぞれ見出した。さらに、アイソフォーム間での機能変化について解析するため、ドメインアノテーションを行い、アイソフォーム間でのドメイン構成の変化を調べたところ、上記の741遺伝子、1055遺伝子ともに、約57%で、局在変化と共に、ドメイン構成の変化を起こすアイソフォームを生じている可能性があることがわかった。そこで、本年度は、より詳細な機能変化の解析を行うため、MTSの欠失/獲得により局在変化を起こす可能性のあるアイソフォームを持つ遺伝子のうち、構造情報を持つものに注目し、ドメイン構造変化による機能変化について詳細な解析を行った。その結果、タンパク質との相互作用ドメインが欠失することで、局在変化とともに、相互作用相手を変化させている可能性があるものが少なくとも十数例あることが分かった。これらは、アイソフォームレベルでの細胞内局在部位の変化により機能調節を行う新規遺伝子として有望である。そこで、今後、これらについて実験的検証を行っていく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Role of the TOM complex in Protein Import into Mitochondria: Structural Views2022

    • 著者名/発表者名
      Araiso Y, Imai K, Endo T
    • 雑誌名

      Annu Rev Biochem

      巻: 印刷中 ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Unfolding is the driving force for mitochondrial import and degradation of the Parkinson's disease-related protein DJ-12021

    • 著者名/発表者名
      Queliconi BB, Kojima W, Kimura M, Imai K, Udagawa C, Motono C, Hirokawa T, Tashiro S, Caaveiro JMM, Tsumoto K, Yamano K, Tanaka K, Matsuda N
    • 雑誌名

      J Cell Sci

      巻: 134 ページ: jcs258653

    • DOI

      10.1242/jcs.258653

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Distinct mutations in importin-β family nucleocytoplasmic transport receptors transportin-SR and importin-13 affect specific cargo binding2021

    • 著者名/発表者名
      Kimura M, Imai K, Morinaka Y, Hosono-Sakuma Y, Horton P, Imamoto N
    • 雑誌名

      Sci Rep.

      巻: 11 ページ: 15649

    • DOI

      10.1038/s41598-021-94948-1

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-12-28  

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