研究課題/領域番号 |
18K11548
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田中 武志 広島大学, 病院(歯), 助教 (40325197)
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研究分担者 |
木内 良明 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (40214738)
氏間 和仁 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (80432821)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | Webアクセシビリティ / 視覚障害 / 読書 |
研究実績の概要 |
田中らは、視覚障害者が理解しやすい情報の提示の仕方を、一度に提示する情報量に着目して調査した。全国の国公立大学病院のWebサイトを対象に、各病院で共通性の高いトップページと受診案内のページを比較し、多種多様な情報が存在する最も必要になるトップページに、初めてアクセスした人に対するガイドとなる情報である「見出し」のタグの登場頻度が少ないことを示し、晴眼者よりも多くの情報ガイドを必要とする視覚障害者へのWebアクセシビリティの問題が大きいことを示唆した。またWebページのスマートフォン対応の技術を応用して、安価かつ技術的な困難のない形でWebアクセシビリティの国際ガイドラインの推奨レベルを超えた文字サイズ(最もよく使われるサイズのタブレット端末で、読書に必要な5文字の表示となるフォントサイズ)を表示が可能になる医療機関Webページ用の仕様案を開発した。この仕様に則って医療機関Webページを作成すれば、ICTに詳しくないが大きな拡大文字が必要なロービジョン利用者が、通常の操作だけで視覚障害者向けのソフトウェアや支援機能を使わずに、医療機関Webページの文字を読み取ることが可能になる。 氏間らは視覚障害者の読書の為のICTの応用の研究を発展させ、障害者にも判り易い情報提供を行うという立場から障害者向けのデジタル教材コンテンツの開発を行い、またバリアフリーな入学試験の顕教整備の為の課題抽出とその解決方法の調査、およびそのための支援用アプリケーションの開発を行った。 木内らは視野障害の原因疾患の最も大きな割合を占める緑内障についての研究を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
医療機関Webページにおける、視覚障害者に理解しやすい用語や漢字の使い方についての調査を行ったが、明確な結論が得られなかった。そのため予定していた視覚障害者当事者へのアンケートの質問項目が定まらず、アンケート調査の研究倫理審査の書類作成が長引いてしまったため。
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今後の研究の推進方策 |
アンケート調査の為の研究倫理審査は既に大学から許可を得ている。今後は障害者団体と協力してアンケートの協力者を募集し、研究期間内に暫定的結果を得て、秋の国際学会で発表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
アンケート調査の開始が遅れたため、謝金相当の分を次年度に繰り越した。本年度中にアンケート協力者を集めデータ収集を完了する予定。
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