研究課題/領域番号 |
18K11551
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
北山 大輔 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 准教授 (40589975)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 情報推薦 / 分散表現 / レビュー分析 |
研究実績の概要 |
以下の2つのサブテーマに取り組むことで,物や事に対する人間の感じ方を取り入れたアイテム演算に基づく情報推薦基盤を構築する. (A)ユーザレビューを用いたアイテムの特徴表現方式として,2018年度においては,観光地に関する口コミレビューとそのスポット情報を収集し,口コミレビューをそのアイテムに関する文書とみなし,文書に対する分散表現の学習手法を元に,各種のアイテムに対し,適切な特徴表現方法を検討した.具体的には,書籍レビュー,観光地レビューや映画レビューに関する特徴量を検討した.また,レビューではないが,レシピデータの分散表現についても取り組んだ.更に,ファッションコーディネートにおいても,コーディネートにつけられたタグをそれに用いられる個別アイテムのタグとして推定する手法についても検討を開始している. (B)アイテム特徴を組み合わせる演算に基づく情報推薦として,2018年度においては,すでに着手している観光スポットに対する特徴表現を用いて,ベクトル空間における加減算の演算の評価に取り組んだ.具体的には,観光スポットに対する個々のレビューをクラスタリングすることで,ユーザの嗜好の抽出を検討し,また,スポット間の関係を表現する手法に取り組んだ.書籍レビューを用いたものでは,コンテンツの並びに着目し,欠落した箇所を予測するすることで,コンテンツの並び順に適した推薦についても検討を行った. 成果として,2件の国際会議,10件の国内研究会での発表を行い,IMECS2019においてBest Student Paper Award,DEIM2019において学生プレゼンテーション賞を得るなど,対外的に高い評価を得ている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
先行研究で取得していたレビューデータを用いることで,効率的に研究・開発を行えたため,当初の計画に加え,より大量のデータを用いて研究を進めることができたため.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,以下の2つのサブテーマに取り組むことで,物や事に対する人間の感じ方を取り入れたアイテム演算に基づく情報推薦基盤を構築する. (A)ユーザレビューを用いたアイテムの特徴表現方式として,2019年度以降においては,商品レビュー,映画レビューといった各種のアイテムへ拡張し,汎用的なモデルの構築に取り組む. (B)アイテム特徴を組み合わせる演算に基づく情報推薦として,2019年度以降においては,種々のアイテムへ演算方式を拡張するとともに,アイテムを横断した演算方式にも取り組むことで,アイテム演算の体系化を試みる.また,演算を利用した推薦アプリケーションを開発し,公開することで,有用性の評価を行う.
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