近年,日本では旅行者招致の動きの活発化により,訪日外国人旅行者の受入環境整備が急務となっている.観光支援に関する取り組みは多数存在するものの,観光行動は多岐に渡っており,特に訪日外国人旅行者を対象とした支援については,十分な支援体制が整っているとは言えない.そこで,外国人旅行者の消費行動第一位である“飲食”に注目し,訪日外国人旅行者の満足度の高い飲食体験を支援する手法を構築する.本研究では,飲食物のおいしさを喚起させる言語表現である“シズルワード”に着目する.飲食物のおいしさに関する情報は,飲食の欲求を喚起する言葉(シズルワード)などを用いて,消費者をはじめとする様々な人々により,インターネット上の口コミサイトやSNSなどに投稿されている.このような情報は,旅行者などの飲食満足度向上に役立つ可能性がある. 本研究では,従来提供されている単なる提供メニューの情報などにとどまらない細やかな味覚情報提供のため,“日本の食”に関する飲食物のおいしさ情報(シズル情報)の提供手法を検討した.日本の一つである“郷土料理”を対象とし,郷土料理に関して適切においしさを伝達するための媒体に関する比較検討を行った.
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