研究課題/領域番号 |
18K11556
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
阿部 武彦 愛知大学, 経済学部, 教授 (60298320)
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研究分担者 |
田嶋 拓也 福岡工業大学, 情報工学部, 教授 (60469583)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 介護 / 睡眠障害 / 転倒 |
研究実績の概要 |
本研究は、検知システムによる兆候検知機能を用いて介護者の気づきを補完することで介護サービスの高品質化を目指したものである。兆候検知の対象は被介護者の睡眠障害と転倒危険であり、具体的には、睡眠障害兆候検知システムと、転倒危険兆候検知システムの開発を目的とするものである。ここで、睡眠障害兆候検知システムは、マット状圧力センサをベッドに敷き、被介護者の夜間就寝時の臥床、離床、座位などのデータを取得し、覚醒・睡眠周期の急激な乱れなどを睡眠障害の兆候として検知するものである。また、転倒危険兆候検知システムは、床に敷くシート状圧力センサを使用して、歩行動作の測定により被介護者の転倒危険の兆候を検知するものである。 上の2つのシステムのうち、睡眠障害兆候検知システムの改善を行い検知精度を向上させた点が本年度の研究実績である。具体的には、ベッドに敷くマット状圧力センサを使用した被介護者の睡眠障害の兆候を検知する睡眠障害兆候検知システムのデータ学習方法を改善することで、入眠・起床の時間、頻繁な起床や睡眠過多等を測定できることを確認した。これらのことは、覚醒・睡眠周期の急激な乱れなどを睡眠障害の兆候として検知することを可能とし、将来的には、深刻な事態を招く前に脳波や筋電図測定による睡眠の精密検査を促すなどの医療的対応をとることが期待されるものである。 以上の成果については、国際ジャーナル1編として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度に報告した状況と同じく、「睡眠障害兆候検知システムの開発」研究においては、ほぼ計画どおりの開発進捗である。一方で、「転倒危険兆候検知システムの開発」研究においては、既存の設備備品の圧力分布シートセンサを使用して、麻痺や疾患、筋力低下などを原因とした歩幅や歩行バランスの変化を検知する実験を繰り返しているところであり、現時点では成果としてまとめるまでの検知精度には到達していない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
「睡眠障害兆候検知システムの開発」研究においては、より精度を高めるために、床に敷くシート状圧力センサやデータの学習手法を見直す予定である。 また、「転倒危険兆候検知システムの開発」研究においては、従来用いてきた圧力分布シートセンサを新たなもの(製品未定)に置き換える予定である。センサからの計測データにより麻痺や疾患、筋力低下などを原因とした歩幅や歩行バランスの変化を検知できるように実験を繰り返す。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、既存備品の圧力分布測定装置を「睡眠障害兆候検知システム」に引き続き用いたことで、新規設備備品を購入しなかったことによる。 使用計画については、「睡眠障害兆候検知システム」と「転倒危険兆候検知システム」の精度をより向上させるために必要となる圧力分布測定装置、および圧力分布シートセンサを購入する予定である
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