本研究では,誰でも簡単に映像コンテンツを作成できる環境を用意し,自由に常識知識などを設定することで,ユーザが仮想世界においてものがものに及ぼす作用などをみることのできる学習支援のための基盤を開発する. 2018年度は常識知識を用いることによりものに及ぼす作用を表現する方法について検討し論文にまとめた. プロトタイプとして作成したシステムはユーザの行動履歴と仮想世界におけるオブジェクトがインタラクションすることにより何らかの作用をもたらすものである. 論文では,下記のようなシステムについて開発した.プレイヤのリアルタイムの感情とゲーム上での行動履歴を元に物語を生成するシステムを開発した.基本的なアイデアは以下の通りである.1)現実ではあり得ない不思議な道具を設定し,プレイヤがハンドコントローラーを用いてそれを体験する,2)プレイ中のプレイヤの表情認識をすることにより感情を取得する,3) プレイヤの感情に応じたリアクションに応じてコンテンツを出力する,4)プレイヤの行動と感情の履歴によりテキストを出力する. ユーザの行動や感情表現により,仮想空間へもたらされるものが異なって設定されており,異なる作用が展開される.ユーザが個別に設定をすることが可能なように現在のところは開発されていないため,その設定を設定できるようなものを今後開発していく必要がある.その他,ユーザが素材を組み合わせることにより簡単に学習コンテンツを作成できるようになシステムとして開発していく予定である.
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