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2018 年度 実施状況報告書

P.ブーレーズ「レポン」の仮想空間リアリゼーション

研究課題

研究課題/領域番号 18K11605
研究機関国立音楽大学

研究代表者

今井 慎太郎  国立音楽大学, 音楽学部, 准教授 (80439554)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード立体音響 / 空間音響 / イマーシブオーディオ / レポン / ブーレーズ
研究実績の概要

まず、同様の演奏を何度でも再現できるMIDIグランドピアノを音源とする、試験的なマイクアレイ録音を実施した。アレイの間隔について現場で試聴および検討をした後、同様の位置でマイクの指向特性を4種類(無指向性、単一指向性、超指向性、双指向性)に切り替えて、同一の楽曲を収録した。簡易的な音源の仮想空間化ソフトウェアを開発し、再現性や音質の検討をした。先行研究である「波面合成法を用いた近接三次元音場再生の理論的研究」(木村他,2008)は、無指向性マイクロフォンの使用を指摘している。しかし実際には壁からの反射音が存在するため、単一指向性のほうが自然な方向感を再現できることを確認した。以上から、研究課題楽曲《レポン》の録音に使用するのに適したマイクの配置や指向特性について、決定をすることができた。次に、研究課題楽曲の全体リハーサルを、1週間にわたって集中的に行った。本研究では、アンサンブルと6人のソリスト各々について、クリックトラックを用いずに、指揮とそのビデオ映像に合わせて個別に録音しなければならない。そのため、モニタシステムの検討と実験が必要となった。最初にアンサンブルの録音と指揮の録画を行い、ソリスト録音までの短期間にビデオ映像を含めた仮編集を行った。その後、各ソリストの録音を、指揮のビデオ映像を再生しながら行った。録音の全体的な編集作業を行い、9割程度完了した。録音やソフトウェア開発作業と並行して、立体音響に関する先行研究や研究課題楽曲に関する文献の調査を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

録音の編集について、研究課題楽曲の長さや演奏的難易度もあって作業量が当初の想定よりも膨大なものとなり、計画していた年度内の完遂が達成できなかった。しかし、現時点で9割方は終了しているため、進捗はほどなく取り戻せる見込みである。ほか、立体音響に関する先行研究や研究課題楽曲に関する文献の調査は、順調に進展している。

今後の研究の推進方策

研究課題楽曲の録音の編集とマスタリングを完遂する。各マイクロフォンによる録音素材のリアルタイムミックスをインタラクティブに行い、バイノーラル出力するソフトウェアを開発する。検証チームによるフィードバックを得る。ユーザーインターフェースおよびデザインを検討し、PCあるいはスマートフォン用のアプリケーションとして実装する。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じたのは、主に年度末に購入した資料代の精算が終わっていないためである。よって使用計画に変更はないものと考える。

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公開日: 2019-12-27  

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