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2020 年度 実施状況報告書

P.ブーレーズ「レポン」の仮想空間リアリゼーション

研究課題

研究課題/領域番号 18K11605
研究機関国立音楽大学

研究代表者

今井 慎太郎  国立音楽大学, 音楽学部, 准教授 (80439554)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード立体音響 / 空間音響 / イマーシブオーディオ / レポン / ブーレーズ
研究実績の概要

最終の研究成果となるソフトウェアで使用する音源について、全111トラック約40分に至る録音素材の編集と整音に加え、音楽的により良いタイミングや楽器間バランスの調整、また椅子の軋みや譜めくり等により生じたノイズの除去を実施し、ベースとなるバージョンを完成させられた。エレクトロニクスパート収録のためのイベント同期システムを開発した。当該楽曲を仮想空間における自由な聴取位置で再生できるソフトウェアの開発を開始した。プログラミング環境のCycling ’74 Maxを用い、インタラクティブなリアルタイム・バイノーラルミキシングを行うシステムを実装中である。バイノーラル処理については、オープンのHRTFデータセットを用いたもののほか、市販あるいは第三者が開発したプラグインも検討した。ユーザーインターフェースとして、同プログラミング環境の「Jitter」を活用し、仮想空間における聴取位置の視覚的なフィードバックを行うシステムのベースを完成させた。当初は約60チャンネルのオーディオを用いる予定だったが、その数ではコンピュータへの負荷が想像以上にかかり、様々なプラットフォーム上で実行するのに現実的ではないことが、実装段階で分かった。ソリストを収録したマルチチャンネルオーディオ(マイクアレイ)の数は間引いても聴感上の差異はそれほど無く、さらに音楽表現として効果的な誇張を施す際には、むしろチャンネル数の少ない方が良好な結果を得られることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

前年度末から引き続いた感染症禍により、密閉狭小空間であるスタジオにおける複数人数での作業が、年度半ばまで実施できなかった。またオンライン授業やハイブリッド型授業への対応により教育業務の負担が増大し、研究のために割けるエフォートが減少した。以上の理由により、研究期間の延長を余儀なくされた。

今後の研究の推進方策

最終の研究成果となるソフトウェア開発とブラッシュアップを行う。様々な実行プラットフォームに対応できるよう、使用オーディオチャンネル数の最適化について検証する。また音楽表現として優れたものとなるよう、パラメータ調整を加える。第三者によるソフトウェアの評価を得る。研究報告をまとめ、学会発表を行うとともに、ソフトウェアをインターネットにて一般公開する。

次年度使用額が生じた理由

前年度末から引き続いた感染症禍により、密閉狭小空間であるスタジオにおける複数人数での作業が、年度半ばまで実施できなかった。またオンライン授業やハイブリッド型授業への対応により教育業務の負担が増大し、研究のために割けるエフォートが減少した。以上の理由により、研究期間の延長を余儀なくされたため、次年度使用額が生じた。

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公開日: 2021-12-27  

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