研究課題/領域番号 |
18K11607
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
向井 智彦 首都大学東京, システムデザイン研究科, 准教授 (10432296)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | コンピュータグラフィックス / リギング / 補助骨 / アニメーション / 機械学習 |
研究実績の概要 |
例示データを用いて非線形皮膚変形計算モデルを学習する手法の開発にあたって、平成31年度は、1. 局所性を考慮したスキニング分解、2.補助骨のノンパラメトリック制御、3.顔アニメーションへの適用の3課題に取り組んだ。 1については、部分的な形状変形を示すモデルが多いことに着目し、モデルをクラスタ分解しつつ隣接性を考慮しながらスキニング分解する技法について検討を進めた。その結果として、計算速度の向上とともに分解制度も向上できることを確認した。この研究成果については論文執筆を進めている。 2については、我々の従来研究で採用していた多項式計算モデルにもとづく補助骨制御を、ノンパラメトリック数理モデルを用いて高度化するための方法について研究した。その過程で、先行研究で提案されているノンパラメトリック補間法の限界を特定し、その改善に取り組んだ。その主要な研究成果は、海外誌・国際学会等での発表を目標として投稿準備を進めている。 3については、提案アルゴリズムを用いて発話アニメーションを実時間生成する際に、同一の音素に対して様々な顔形状バリエーションを合成する方法を検討した。この研究成果については国内シンポジウムでポスター発表した。 以上の成果については、共同研究先の企業においても引き続き実地検証しており、実用化のためのアルゴリズムの改善や各種計算フローの改善、ツールとしてのインターフェースの整備なども行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね研究計画に沿いつつ、共同研究先企業での実用化に向けた開発、および研究過程で特定した新たな技術的問題の解決に注力した。当初の計画内容のうえでは若干の遅れが生じているが、より波及効果の高い計画外の研究シーズへ展開したものと考えられる。また、学術論文や研究発表という点には欠けるが、来年度の発表に向けて複数の論文を投稿中・投稿準備中であり、全体としては順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度に向けて、昨年度・本年度に開発した各種技術群を、主に顔アニメーションに適用する計画である。その中で、補助骨の非線形運動を模倣する最適なノンパラメトリック数理モデルを明らかにするともに、さらに高精度な皮膚変形表現の実現を目指す。また、自動構築したキャラクターリグを利用したアニメーションの誇張表現などの課題にも取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
翌年度に消耗品等の購入に充てる。
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