研究課題/領域番号 |
18K11629
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
太田 俊二 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (10288045)
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研究分担者 |
福井 眞 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水研機構(横浜), 主任研究員 (90754573)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 地球温暖化 / 感染症 / 感染症媒介生物 / 個体群動態 / 個体群動態モデル / 降水量影響評価 / 生態系影響評価 |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルス蔓延等の影響により、2020年度は前年度までの研究を再検討することを中心に活動を展開した。 降雨がヒトスジシマカの個体群維持に及ぼす影響を組み込んだ気候データ駆動型の個体群動態モデルを利用して、温帯性蚊の個体群動態の再現ならびに将来予測を試みてきた。東京で観測された個体数データを用い、尤度を指標としてモデル内のパラメータ推定を行った。このモデルへの入力値として将来予測される降水量のデータが必要である。降水に関する過去の実測気象データから月平均値について統計的に大きく外れないようなランダムリサンプリングによって降水データを生成した。この際、将来の東京の気候として提言されている無降水日数や降水強度の増加を考慮した日降水パターンを生成し、蚊個体群予測の入力データとした。その結果、将来の梅雨時期の無降水日数が増加することを反映して、蚊の水棲ステージの個体数増加が抑え込まれ、夏季に出現ピークとなる個体数はこれまでのモデル予測値よりも小さくなった。一方で、シャワー型の降雨などによるヒトスジシマカの個体や卵が流出する効果はほとんどないのではないかということもわかった。気温や水温などの温量資源だけでなく、降水などの水資源の影響を考慮に入れる必要性が明確になった。これらの結果を踏まえ、ヒトスジシマカの生活史に合わせて、大量の降雨による流出の効果に関する計算プロセスを見直し、修正するなどを行っている。温帯域の日本を代表するアカイエカとヒトスジシマカの季節的な個体群動態を再現することは概ね達成できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は、新型コロナウイルスの蔓延等により、予定していた複数の学会発表がキャンセルとなり、また関連研究者との十分な意見交換もできなかった。研究室のあるキャンパスへの入構規制もあり、再計算などの作業がほとんどできなかったことに加え、研究補助者の出校停止や帰郷等により雇用もできなかった。以上のことから、研究を実施できたのが秋のごく一部の期間に限られてしまったことにより、当初予定の研究推進が困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
将来気候下でのヒトスジシマカの個体数の挙動を予測(とくにピークの個体数と活性期間の特定)に焦点を絞り、個体群動態モデルの微修正、微調整に集中する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究補助者への謝金や学会発表等に必要な旅費、交通費等による支出がほとんどなかったことによる。
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