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2021 年度 実施状況報告書

21世紀前半から後半にかけての日本の感染症媒介蚊の個体数と活性期間の変化

研究課題

研究課題/領域番号 18K11629
研究機関早稲田大学

研究代表者

太田 俊二  早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (10288045)

研究分担者 福井 眞  国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), 主任研究員 (90754573)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード地球温暖化 / 感染症 / 感染症媒介生物 / 個体群動態 / 個体群動態モデル / 降水量影響評価 / 生態系影響評価
研究実績の概要

新型コロナウイルス蔓延等の影響により、2021年度は2020年度に引き続き、遅れている研究発表を進めることに主眼をおき、研究活動を展開した。主として、本課題の最終成果が国際学術雑誌に掲載されるよう、執筆、修正に努め、掲載の手前まで来ている。新型コロナウイルスに翻弄された時期に展開された研究課題であるものの、当初予定のヒトスジシマカの個体群動態モデルが完成し、達成目標としていた将来気候下での動態も予測することができた。研究課題名とした「個体数と活性期間の変化」を定量的に示すこともできた。
現在気候下での個体群動態の再現ならびに将来予測を行うため、降雨がヒトスジシマカの個体群維持に及ぼす影響を組み込んだ気候データ駆動型の個体群動態モデルを修正した。キャリブレーションには東京で観測された温帯性蚊の個体数データを用い、実験等でも不明な蚊の休眠機構を数量的表現するため、尤度を指標としてモデル内のパラメータ推定を行っていることに特徴がある。温帯域の日本を代表する蚊にはアカイエカとヒトスジシマカがおり、前回の課題と併せて両種の季節的な個体群動態を再現することが可能となった。温帯性の蚊に特化した個体群動態モデルの骨子が形成されたことにより、将来気候下の動態予測にも役立つことも示すこともできた。とくに、気候値を入力することで動く時間発展型のモデルであるため、気候変化の影響を見極める際に活用しやすいという利点がある。
一方で、降水量の変化が蚊の環境収容力に影響を与えると仮定した場合とそうでない場合で、前者は後者に比べてピーク時の個体数が1.35倍に達することがわかった。このことは蚊の個体数の将来予測をする際に、降水パターンの変化を重視する必要性が高いことを示唆している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年度よりは緩和されたものの、研究室のあるキャンパスへの入構規制もあり、再計算などの作業がサテライト形式で行うことが中心となり、研究補助者の帰郷等により雇用ができなかった。以上のことから、当初予定の研究推進が困難であった。そのようななかでも、これまでの成果を国際誌に掲載されるよう、とりまとめることに注力しした。

今後の研究の推進方策

本課題を再々延長し、最終的な報告に相当する論文を国際誌に掲載することを目標とする。

次年度使用額が生じた理由

論文の取りまとめが、新型コロナウイルス蔓延時の夏にできず、秋以降に再開したため、英文校正等の費用支出が半期ずれていることによる。次年度(再々延長後の最終年度)には、論文公開に伴う支出を計画している。

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公開日: 2022-12-28  

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