本研究の目的は、γ線照射後に生産された精子の運動性やDNA正常性を調べるとともに、断続的な炎症が精子形成能および精子性状に及ぼす影響を検討することである。新生仔へのγ線照射は、その後生産される精子の運動性に影響しなかったが、精子DNAダメージを増加させた。リポ多糖の投与により断続的な炎症を誘起したとき、精子の運動性やDNA正常性に悪影響は見られなかった。一方で、リポ多糖投与による炎症は、体外受精後の受精率を低下させ、胚発生も阻害した。以上、新生仔期にγ線照射された雄マウスの精子にはダメージが蓄積されており、精巣における断続的な炎症は精子受精能を低下させる可能性が示された。
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