研究課題/領域番号 |
18K11640
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2020-2021) 京都大学 (2018-2019) |
研究代表者 |
田野 恵三 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 客員研究員 (00183468)
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研究分担者 |
増永 慎一郎 大阪公立大学, 研究推進機構, 客員研究員 (80238914)
川西 優喜 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (70332963)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | DNA損傷修復 / ビグアノイド薬剤 / 腫瘍細胞内微細環境 / DNAタンパククロスリンク損傷 |
研究成果の概要 |
Metforminは2型糖尿病の第一選択薬として一般的に使用されている。Metforminを処方されている患者は、他の処方患者に比べてがんのリスクが低いことが知られており、がん予防薬としての可能性が強調されている。腫瘍細胞環境で特異的な低血糖下において、Metforminは腫瘍細胞内で特定のDNA損傷を誘発し、それが致死的な遺伝子病変であることを本研究で明らかにした。このことは、Metforminががん細胞に対し特異的な致死作用を有する可能性を示唆しており、Metforminを副作用の少ない抗がん剤として応用するうえで、致死誘導の原因と生成機序の理解の基盤となる情報を提供した。
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自由記述の分野 |
放射線生物学 細胞生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
既存の抗がん剤は正常細胞にも強く影響するため副作用がデメリットの一つである。Metforminは糖新生を抑制し血糖値を下げる作用から糖尿病治療薬として使用されており、一方、抗がん剤開発研究分野では、腫瘍細胞に特異的致死効果を与える研究が進んでいる。腫瘍組織は血管不良に伴う低グルコース(低血糖)や低酸素など特徴的な微細環境下にあり、それら環境要素は腫瘍の悪性化、また、放射線や化学療法の抵抗性獲得に関わっている。腫瘍組織環境下でのMetforminの作用機序と腫瘍細胞特異的致死効果を解明することは、新規抗がん剤や増感剤の開発、がん患者の負担軽減を目指す治療計画への知見として有益である。
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