放射線等により生じるゲノム損傷は生体にとり有害であるため、生体にはその防御機構としてDNA損傷応答(DDR)が存在する。その中心分子はATMとATRキナーゼであるが、本研究ではATRに注目した。ATRはATRIPと複合体を形成し、DNA複製ストレスで活性化され、少なくとも2つの活性化機構が存在する。 研究代表者は新たなATR-ATRIPの活性化機構の存在を想定し、2つの異なるDNA損傷薬剤によるATRIPとRPA2の核内フォーカス形成を指標にsiRNAスクリーニングを行い、29個の候補分子を得た。すでに詳細な解析が行われたものを除外し、有望な候補分子についてさらに検討を行っている。
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