研究課題
発生初期は、放射線に対して感受性が高いと考えれらている。しかし、どのような違いがあるのか、その細胞応答がどのようなものであるかについてあまり詳しく知られていない。申請者は、これまでのゼブラフィッシュを用いた発生のごく初期の胚細胞への放射線照射による実験から、6時間の差で、個体への影響が著しく異なることを見出した。これらの時間の間に、細胞周期の停止やgamma-H2AX foci の形成などの細胞応答が変化することがわかった。これらの結果は、論文として発表した。さらに、ごく初期の放射線照射によって、かなり時間が経ってから胚の頭部に細胞しが多くみられる現象を見つけた。これらの細胞がどのような細胞であるか、なぜこれほど時間が経ったのちにアポトーシスを起こすのかを調べるために、放射線照射の後、タイムラプスイメージングなどを用いて継時的に解析を行っている。アポトーシスを起こす細胞数は線量依存的に変化するため、アポトーシスは放射線による影響であると考えられる。また、このアポトーシスが、DNA損傷が記憶として残ったために起こっている可能性を考えエピジェネティクスに注目して、その変化の解析を行った。人為的にDNA損傷・修復を起こすことによってエピジェネティクスが変化することを確認した。今後、アポトーシスとの関連を調べる予定である。
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