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2020 年度 実績報告書

DNA二本鎖切断同士のペアリングを制御する分子ネットワークの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K11645
研究機関長崎大学

研究代表者

山内 基弘  長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (60437910)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードChromosome rearrangement / DNA二本鎖切断
研究実績の概要

放射線被ばくによって起こる最も重大なゲノム変化のひとつにChromosome rearrangement(CR)があるが、その生成・生成抑制の分子メカニズムはよくわかっていない。CRはゲノム内の異なる領域に生じた2つのDNA二本鎖切断(DSB)のつなぎかわりによってできるため、CR生成には2つのDSBが動いて近接する「DSBペアリング」が必要である。しかしこのDSBペアリングについては、これまでほとんど報告がなかった。私は最近、γ線照射したヒト細胞でDSBペアリングを可視化する実験系を樹立し、Ku80, DNA-PKcs, ATM, 53BP1の4つの因子がDSBペアリングを制御していることを明らかにした(Yamauchi et al. Sci. Rep. 2017)。しかしこれら4因子以外にもDSBペアリング制御にかかわる因子が存在する可能性は高く、DSBペアリングの制御メカニズムの全容はわかっていない。そこで本研究では、新たなDSBペアリング制御因子をスクリーニングにより見つけ、どの因子がどの因子と協力しているかという、DSBペアリング制御の分子ネットワークまでを明らかにするのが目的である。2020年度は、遺伝子密度が高いユークロマチン領域におけるDSBペアリングの頻度を調べた。ユークロマチン領域とヘテロクロマチン領域を区別するため、DAPI染色によりヘテロクロマチン領域が濃く染まるマウス線維芽細胞を用いてDSBペアリングの頻度をユークロマチン領域とヘテロクロマチン領域とで比較した。その結果、DSBペアリングの指標として用いたmCherry-BP1-2フォーカスのペアリングの頻度は、ヘテロクロマチン領域と比べ、ユークロマチン領域で有意に低いことが分かった。これは遺伝子が多いユークロマチン領域においてDSBペアリングを抑制するメカニズムが存在することを示唆する結果である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] RNF8 promotes high linear energy transfer carbon-ion-induced DNA double-stranded break repair in serum-starved human cells2020

    • 著者名/発表者名
      Nakajima NI, Yamauchi M, Kakoti S, Cuihua L, Kato R, Permata TBM, Iijima M, Yajima H, Yasuhara T, Yamada S, Hasegawa S, Shibata A.
    • 雑誌名

      DNA Repair (Amst)

      巻: 91-92 ページ: 102872

    • DOI

      10.1016/j.dnarep.2020.102872

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 放射線被ばくで生じたDNA損傷を正確に修復する分子メカニズム2020

    • 著者名/発表者名
      山内基弘、平川美弥子、松田尚樹
    • 学会等名
      日本放射線安全管理学会

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公開日: 2021-12-27  

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