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2018 年度 実施状況報告書

ハイパーソニック・サウンドを応用した労働環境改善によるストレスおよび健康影響評価

研究課題

研究課題/領域番号 18K11671
研究機関公益財団法人国際科学振興財団

研究代表者

河合 徳枝  公益財団法人国際科学振興財団, その他部局等, 専任研究員 (50261128)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードハイパーソニック・エフェクト / 高周波音 / ストレス低減 / 環境音 / 間脳 / 中脳
研究実績の概要

自然性の高い森林環境音やある種の楽器音には、人間の可聴域上限を超える高周波成分が豊富に含まれかつ複雑なゆらぎ構造を持つものがある(ハイパーソニック・サウンドという)。人間がそうしたハイパーソニック・サウンドを受容すると、間脳・中脳を含む基幹脳・前頭前野等の領域脳血流の増大、免疫活性の増強、ストレスホルモンの低下、認知能力の向上など、様々なポジティヴな効果(ハイパーソニック・エフェクトという)をもたらすことを研究者らは見出した。本研究は、ハイパーソニック・サウンドを労働環境に導入することによって、この効果を活用し労働者のストレス低減および健康向上に貢献することを目的としている。
そのために本研究では、①労働に障害とならず適切にハイパーソニック・エフェクトを発現させる環境音の音響構造の検討および試作を行う。②労働環境に現実に設置可能な小型の超高周波再生能力を持った音響システムを検討する。③それらを現実の労働環境に実装してハイパーソニック・サウンドによるストレスおよび疲労低減などの効果を客観的に評価する。評価には、様々な生理心理指標を探索的に検討し、測定方法を確立する。④協力企業を募って、現実の労働環境において実証的試験を実施し、ハイパーソニック・サウンドの効果を検証する。
初年度は、主として①の環境音の音響構造の検討および作成に取り組むとともに、②の超高周波再生能力を持った音響システムについても検討を行った。作成した環境音と候補となる音響システムを使用して、実験室内での試行を行なった。擬似的な労働環境業務において、環境音の有無や、高周波成分を含む環境音、高周波成分を含まない環境音を呈示した場合における実験協力者の生理心理反応を検討した。
実験条件ならびに評価指標について探索的検討も開始したところ、ハイパーソニック・サウンドがストレス低減や認知能力向上に有効である傾向が見られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要に記述したように、初年度は、予定通りハイパーソニック・エフェクトを発現させうる労働環境に実装する上で適切なハイパーソニック・サウンドの作成を達成した。
同時に、それを再生させる音響システムについて、検討を進めているが、まだ実装システムを確立するまでには至っていない。しかし、システムを確立することは、射程距離に入っており、次年度の前半には実装システムを構築する予定である。
また、次年度に行う予定であった、ハイパーソニック・エフェクトを評価する実験プロトコールや生理指標の探索的試行もすでに初年度から開始しており、全体として概ね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

次年度以降の主たる課題は、先の研究実績に記述した①から④のうち、主として次の2点である。③現実の労働環境にハイパーソニック音響システム実装してハイパーソニック・サウンドによるストレスおよび疲労低減効果を客観的に評価する。評価のための様々な生理心理指標を検討し、測定方法を確立する。④協力企業を募って、現実の労働環境において実証的試験を実施し、ハイパーソニック・サウンドの効果を検証する。
次年度の後半に、可能であれば実験に協力してくれる企業に実装システムを導入してもらい、試験試行を開始することを目指す。企業の業務に支障をきたさないよう、しかしながら可能な限り効果的に評価データを収集できるよう、協力企業とよく連携し、実験のプロトコールを検討する。

次年度使用額が生じた理由

残額107円は、翌年の消耗品に当てる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] Induction of prolonged natural lifespans in mice exposed to acoustic environmental enrichment2018

    • 著者名/発表者名
      Yamashita Y, Kawai N, Ueno O, Matsumoto Y, Oohashi T, Honda M
    • 雑誌名

      Scientific reports

      巻: 8(1) ページ: 7909

    • 査読あり
  • [産業財産権] スピーカー装置2018

    • 発明者名
      大橋 力、河合徳枝、仁科エミ
    • 権利者名
      (株)アクション・リサーチ
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      PCT/JP2018/ 38374
    • 外国

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公開日: 2019-12-27  

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