本研究で作成したデータベースおよび機械学習モデルにより、これまでに明らかでなかった過去から現在に渡っての反応性窒素複合リスクの時空間分布が明らかになった。特に、大気質、水質、観測が手薄であるグローバル・サウスにおける潜在リスクについて、定量的評価が行うことができるようになった。また地下水質の潜在リスクの高い地域は、家畜のメトヘモグロビン血症の確率も高い傾向にあることが示された。今後、このアプローチを用いることによって、対策技術導入時のリスク低減効果や、反応性窒素複合リスク曝露人口の推計などを行い、反応性窒素の統合管理に向けた政策提言に資する研究を行うことが可能になった。
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