研究課題/領域番号 |
18K11699
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
森 一俊 帝京大学, 理工学部, 教授 (60566941)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ディーゼルエンジン / 燃焼 / BDF(バイオディーゼル燃料) / DOC(酸化触媒) / DPF / ナノ粒子 / 粒子生成メカニズム / 粒子排出メカニズム |
研究実績の概要 |
2020年度の院生と卒研生により研究成果が得られ、その内容を国内外の4つの学会で発表した。まず日本機械学会2021年次大会では、燃料にJIS2号軽油と廃食油ベースのFAME(Fatty Acid Methyl Ester)化したバイオ・ディーゼル燃料BDF:Bio-Diesel Fuel)を用い,エンジン負荷と回転数を変化させエンジン全運転領域のナノ粒子個数やナノ粒子径と組成を調査・把握した成果を発表した。次に国際会議FISITA 2021 World Congress では、2019年度の研究成果をベースに2020年度の結果を加え、エンジン排出ナノ粒子の個数と径をJIS2号軽油とBDFを比較すると共に、DPF(Diesel Particulate Filter)を強制再生させた後DPFがナノ粒子を捕集し壁面上に堆積する場合のナノ粒子の大気への排出状況を調査した結果を報告した。続いて自動車技術会2021秋季大会では、後処理装置の一つDOC(Diesel Oxidation Catalyst:酸化触媒)の役割と性能・機能に関し、JIS2号軽油を用いた試験で得られた成果を発表した。そして最後に第32回内燃機関シンポジウム(2021)で、これまで研究して来たナノ粒子の大気への排出現象を支配するDPFに着目、エンジン生成量と大気への排出量を基にDPFへの粒子の捕集・堆積率を算出、生成後のDPFへの捕集・堆積および大気へのへ移出メカニズムを把握した成果を発表した。 全ての発表がオンラインだったので聴講者の反応が読めず論文や発表の関心度は不明なれど、質問の数や内容から研究への関心の高さが伺え、好評だったと推定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年(令和2年)度迄の事業期間終了後、COVID-19の影響で補助事業期間延長承認が得られ2021年(令和3年)度も研究が可能となり、2020年(令和2年)度の研究成果を世に問うべく、日本機械学会2021年次大会,FISITA2021 World Congress,自動車技術会2021秋季大会,第32回内燃機関シンポジウム(2021)に対し論文を執筆、発表を計画した。そして上記の国内外の学会や講演会が全てWeb開催となったが、5の研究実績の概要で説明した研究成果を予定通り発表し、社会に問う事が出来た。厳しい環境の下、学会や講演会は対面開催に至らず研究成果発表時に直接的な空気感を感じられなかった事は残念では有るが、予定通り4回の国内外で発表出来た事に満足している。 ただし研究の集大成の発表が出来なかったので、2022(令和4年)度に纏めて発表する予定で有る。
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今後の研究の推進方策 |
補助事業期間が2022年(令和4年)も延長願えたので、2021年(令和3年)度に国内外で発表した4件の論文をベースに、これ迄培った研究成果を纏めて本研究の集大成として、コロナ終焉後の学会で対面での発表を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19のために2021年(令和3年)度の学会発表は全てオンライン(Web)となり、国際会議も含め交通費や宿泊費が消費出来ず、2022年(令和4年)に繰り越された。2022年(令和4年)度はハイブリッドや対面での学会が催行されると考えられ、研究の集大成を発表する事や研究成果内容および方向性などを議論したり情報を収集するため、各学会参加費や交通費および宿泊費などに充てたい。
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