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2021 年度 実績報告書

生物電気化学的な窒素固定促進技術開発のための基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K11707
研究機関大阪工業大学

研究代表者

粟田 貴宣  大阪工業大学, 工学部, 講師 (80724905)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード窒素固定 / 細胞が遺伝子伝達物質 / メタゲノム解析
研究実績の概要

本研究テーマでは窒素固定微生物を用いたアンモニア生成技術開発に向けた基礎的な知見を得ることを目的として課題に取り組んできた。現行のアンモニア生成技術は高温高圧下で実現するハーバー・ボッシュ法によって生成されているが、大部分は肥料として消費されている。水素エネルギー需要の増加によって、輸送コストの低いアンモニアを水素キャリアとしての利用が注目されているが、工業的に製造したアンモニアを水素キャリアとして、本研究で試みる生物学的な窒素固定で生成したアンモニアを肥料として利用することで、より水素需要が高まる社会に適した利用形態が実現すると考えられる。
本研究では、水田土壌を植種源とし、窒素固定菌の培養に多用されているAshby培地を用いた継代培養を行うことによって、窒素固定菌の集積培養を試みた。この集積培養物を用い、さらに土壌画分の一つである腐植物質のヒューミンを添加することによって活性が増加することを確認し、さらにヒューミンが電子伝達物質として働くことを確認した。また、異なる起源のヒューミンを用いた試験では、それぞれ窒素固定活性の増加量が異なるが、どのヒューミンを用いた場合においても窒素固定活性の増加を確認することができた。窒素固定遺伝子の一つであるnifHの存在量を測定した結果、ヒューミンを含む培養系の方が高いことを確認した。一方で、Miseq、Hiseqを利用したメタゲノム解析によって塩基長の異なる遺伝子情報の組み合わせからnifHを保有している微生物の特定を試みたところ特定には至らなかった。原因はDNA濃度が不十分であったことが挙げられ、得られた塩基配列のクオリティー不足によるものと思われる。
今後の課題としては、十分量の窒素固定微生物群の培養を可能にする装置の開発、遺伝子の再解析による窒素固定菌の特定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Promotion of biological nitrogen fixation activity of an anaerobic consortium using humin as an extracellular electron mediator.2021

    • 著者名/発表者名
      Dey S, Awata T, Mitsushita J, Zhang D, Kasai T, Matsuura N, Katayama A.
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 11 ページ: 6567

    • DOI

      10.1038/s41598-021-85955-3

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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