研究課題/領域番号 |
18K11717
|
研究機関 | 福岡工業大学 |
研究代表者 |
田島 大輔 福岡工業大学, 工学部, 准教授 (10531452)
|
研究分担者 |
熊谷 誠治 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (00363739)
井上 謙吾 宮崎大学, 農学部, 准教授 (70581304)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 電気二重層キャパシタ / 焼酎粕 / 液中プラズマ表面処理 |
研究実績の概要 |
本研究2年目では、実施計画で述べた表面官能基量の最適化のために、焼酎粕より活性炭を作製し、液中プラズマ表面処理を施すことで電気二重層キャパシタの高エネルギー密度化を図った。電源には直流電源を使用し、電解液中の気相でプラズマを発生させ活性炭の表面処理を行った。表面処理の際に、直流電源の印加電圧、処理時間、電解液の種類を変更して最適条件を探った。まずはじめに,水酸化カリウムを電解液として使用して液中プラズマ表面処理を施した活性炭は,印加電圧と処理時間をそれぞれ変化させて表面処理を行った結果、(240 V,30 min)の場合に最も大きい静電容量220 F/gが得られた。また、内部抵抗の減少も確認できた。水酸化ナトリウムを電解液として使用して液中プラズマ表面処理を施した活性炭は、印加電圧と処理時間をそれぞれ変化させて表面処理を行った結果、(260 V,30 min)の場合に最も大きい静電容量96 F/gが得られた。しかしながら、内部抵抗はあまり減少しなかった。これらの結果、水酸化カリウムで表面処理を施すことにより、未処理の活性炭に比べて約12 %静電容量が増加し、静電容量については目標値の200F/gに到達した。また、内部抵抗は約3 %の減少となった。エネルギー密度の目標値は40Wh/kgとしていたが、現時点では31Wh/kgであり、更なる改善が必要とされる。表面処理を施した活性炭のIRスペクトルを測定し、-OH基やC=O結合などの酸素含有官能基の存在を確認した。濡れ性の向上や擬似容量が発現することにより静電容量が増加したと考えられる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度から令和元年度への研究展開が予定通りであり、研究代表者から研究分担者へ密接に連絡を取り合っているため。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては、最終年度であるために、研究代表者と研究分担者、国内/海外研究協力者とも更に連携し、九州地域での処理が課題となっている焼酎かすを利用した微生物発電―キャパシタ蓄電システムを先駆けてモデル化する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
差額が生じた状況については,新型コロナウイルスの影響で2月~3月に予定していた実験が無くなり,物品費として使えなかったことと,同時期の国際会議や国内会議が全て中止となり,旅費が使えなかったため。 次年度の使用計画については,既に9月までの様々な学会が中止となっていることから上半期での旅費としての使用はほぼ無いと考え,今後の実験に必要な物品購入費として使用する予定である。新型コロナウイルスが収まれば,2021年3月の学会では成果が発表できるものと予想する。
|