研究課題/領域番号 |
18K11725
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
永松 大 鳥取大学, 農学部, 教授 (20353790)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 鳥取砂丘海岸 / 生態系サービス / 土地利用変化 |
研究実績の概要 |
東日本大震災以降,関心が高まったグリーンインフラの活用には生態系による確実な防災効果発揮が必要であり,生態系サービスの有効性とその安定性に関する科学的知見が求められている。本研究では自然海岸が残る鳥取砂丘海岸を対象に,海浜生態系が持つEco-DRR機能の発揮に向けて,鳥取砂丘海岸のさまざまな立地を対象とした海浜砂丘と海浜植生の安定性評価を行う。研究初年度の2018年は主に,空中写真と測量に基づく地形図が残る過去100年間の経年変化から,鳥取砂丘海岸の土地利用変化と土地利用の時間的安定性を検討した。 本年は1947年の米軍と1968年以降に鳥取県立博物館が定期的に撮影してきた空中写真をもとに,鳥取砂丘海岸全域の土地利用変化を定量的に評価することを目指した。鳥取砂丘海岸を撮影した過去の空中写真をオルソ化し,その変化を解析した。最も古い旧版地形図である1897年測量図も解析に使用した。鳥取砂丘海岸では100年前には砂れき地が海岸地帯の半分を占めていた。これが1947年までに西側を中心に田畑や樹林へと変化し,特に田畑が増加した。1968年までに西側では砂れき地がほぼ消失し,東側でも植林がすすんだ。その後は東西ともに住宅地その他施設が占める割合が増加し続け,今日に至っている。これらの変化は人口増加と農業振興,その後の社会構造の変化による影響を大きく受けた結果と考えられる。今後は,これらの変化が鳥取砂丘海岸のEco-DRR機能に与えた影響について検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究はおおむね順調に進展しているが,解析・考察面でさらなる研究推進をはかるため,一緒に研究を進めてくれる学生の確保・教育が課題である。
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今後の研究の推進方策 |
調査地である鳥取砂丘海岸は研究代表者の至近距離にあり,フィールド研究で最も重要な調査時間の確保に圧倒的に有利である。天然記念物鳥取砂丘で必要な国,地元自治体の調査許可手続きにも慣れている。関係組織との連携もとれていることから,これまでの鳥取砂丘海岸での研究蓄積を活かして今後の研究推進を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費として計画していた電子計算機一式の価格が価格変動等により下がったことが主要因である。次年度使用額となったのは少額ではあるが,乾電池類等,野外調査に必要な消耗品にあてることを計画している。
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