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2020 年度 実施状況報告書

生態系サービスへの支払制度設計における理論検証のための空間情報の整備と分析

研究課題

研究課題/領域番号 18K11735
研究機関国立研究開発法人防災科学技術研究所

研究代表者

庄山 紀久子  国立研究開発法人防災科学技術研究所, 防災情報研究部門, 主幹研究員 (40526711)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード土地利用 / 空間分析 / 農地生態系
研究実績の概要

生態系サービスへの支払制度は、理論的には保全行動に対するアクションベースの支払制度よりも効果に対して支払額を決めるアウトカムベースの支払制度の方が政策の費用対効果が大きく、また空間的異質性の高い環境下では支払対象を空間的に絞るターゲティング戦略が有効である。一方で現行の支払制度はアクションベースの支払制度であり、ミスターゲティングが生じている可能性が指摘されている。本研究は農業生態系の空間的異質性に着目し、アウトカムベースの要素を取り入れる要件を明らかにしたうえで、ターゲット戦略の有効性を実証する。今年度は主に以下の研究成果のとりまとめを行った。
1)国内の生態系サービス支払制度(PES)の事例として参照される中山間地域等直接支払制度は、農地の多面的機能の維持を目的として導入され20年が経過した。石川県能登地域の960農業集落を対象に、集落型生態系サービス支払(CB-PES)による放棄農地抑制効果の検証を行った。支払制度の対象集落および農地に関する空間データと2005年の農林業センサスの調査票情報を用いて、放棄農地発生要因に関する集落および農家世帯要因のマルチレベル分析を行った。分析の結果、CB-PESは集落における共同管理活動を促進し、放棄農地の発生を抑制していた。しかし、放棄農地の発生要因には複数の社会的・環境的要因が影響しており、さらに農家の後継者の有無、生産規模、農外所得などの農家レベルの要因と集落の地理的条件、共同管理活動の状況などの集落レベルの要因の両方が影響していた。
2)支払制度による土地利用影響を検証するためにマルチモデル分析の結果を踏まえたエージェントベースモデルの構築を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当所の目的を達成するためにより精緻な分析が必要なため、予定していた研究計画よりやや遅れている。

今後の研究の推進方策

マルチモデル分析の結果を踏まえたエージェントベースモデルの構築を進めて研究成果を学術論文として国際誌に投稿する。

次年度使用額が生じた理由

分析結果のとりまとめおよび論文執筆が予定より遅れたため、論文投稿料等の未使用額が生じた。未使用額は令和3年度に計画通り執行する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Assessment of Land-Use Scenarios at a National Scale Using Intensity Analysis and Figure of Merit Components2021

    • 著者名/発表者名
      Shoyama Kikuko
    • 雑誌名

      Land

      巻: 10 ページ: 379~379

    • DOI

      10.3390/land10040379

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 集落型生態系サービス支払制度による農地維持効果:集落・世帯要因のマルチレベル分析2021

    • 著者名/発表者名
      庄山紀久子
    • 学会等名
      日本生態学会第68回全国大会

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公開日: 2021-12-27  

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