研究課題
基盤研究(C)
本研究は農業生態系の空間的異質性に着目し、現行の支払制度にアウトカムベースの要素を取り入れる要件を明らかにしたうえで、ターゲット戦略の有効性を実証した。そのために(1)エージェントベースの土地利用モデルを用いて支払制度に複数のターゲット戦略を導入した場合の土地利用影響を明らかにし、(2)制度の効果を定量化する生態系サービス指標の選定と必要な空間範囲の設定など必要条件を明らかにした。
景観生態学
国内の農業生態系は生物多様性維持機能や様々な生態系サービスを供給する社会・生態学的生産システムとして評価されている。特に中山間地域の農業生態系の多面的機能は生態系サービスとして経済的にも評価されていることから、直接支払制度実施の根拠となっている。本研究では農業生態系の空間的異質性に着目し、近年確立しつつある生態系サービス指標を支払制度の評価に用いることで、生態系サービス評価研究の成果を制度評価につなげたことに独自性と意義がある。