研究課題
基盤研究(C)
濃度分極およびファウリングのシミュレーションプログラムと計算モデルを開発し,浸透を阻害する要因を低減する方法について検討した.膜本来の性能を得るためには,中空糸膜の密度を小さくすること,水の流速を大きくすることが有効であることがわかった.また,気泡を導入することで水中のファウラントを除去し,固体表面に付着したファウラントを低減できる可能性があることがわかった.
機械工学
本研究では,メゾスコピック領域を解析対象とし,水の流体力学的な挙動,イオンの移流・拡散挙動,気泡の挙動などを連成解析するプログラムを開発しており,従来の手法に比べてより複雑な現実に近い条件下でのシミュレーションが可能である.また,膜分離技術は海水淡水化,血液透析,飲料の精製・濃縮,排水処理など,多くの分野で利用されている.いずれにおいても濃度分極・ファウリングは性能を低下させる現象であるため,本研究の解析法・成果が産業・医療など広い分野で活用されることが期待される.