研究課題/領域番号 |
18K11761
|
研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
白井 信雄 武蔵野大学, 工学部, 教授 (70597260)
|
研究分担者 |
田崎 智宏 国立研究開発法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 室長 (10353541)
森 朋子 国士舘大学, 政経学部, 講師 (30728134)
栗島 英明 芝浦工業大学, 建築学部, 教授 (80392611)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | ライフスタイル転換 / 転換学習(変容学習) / ライフヒストリー / 価値規範の転換 / 視座の転換 |
研究実績の概要 |
ライフスタイル転換を支援する転換学習プログラムの開発に資することを目的として、ライフスタイル転換における意識と行動の転換のプロセス、さらに各プロセスを規定する要因を、ライフスタイル転換があった9名の方へのライフヒストリーのインタビュー調査により明らかにした。特に重要な研究結果は次の4点である。第1に、意識の転換には、「社会の問題への気づきによる価値規範の転換」と「生き方の選択肢への気づきによる視座の転換」という異なるタイプのものがある。各タイプに応じた転換の支援を考える必要がある。第2に、意識の転換が行動の転換に結びつくとは限らず、行動の転換を実現させる要因があるが、特に転換を阻害する要因を解消する4つのタイプの人(ロールモデル、ナビゲーター、パートナー、サポーター)の存在が重要である。第3に、意識・行動の転換には、それが短期間に起こる場合と長期間にわたって漸進的に起こる場合がある。行き詰まりを長く抱えながら、行動転換に至らない場合には、外部の研修等での技能の獲得やそれを通じたネットワークの形成が行動の転換の準備となる。第4に、意識の転換→行動の転換という経路だけでなく、行動の転換→意識の転換という経路がある。この場合の行動は、期間が限定された一時的な行動であるが、このお試しの行動による意識の転換が生じ、行動の本格化へと進む場合がある。 さらにWEBモニターのアンケート調査(1,036人)を実施し、インタビュー結果の定量的な検証を行った。その結果、特に3点が明らかになった。第1に転換した人の7割以上は、転換前に行き詰まりや生きづらさを抱えていた。第2に行動転換を起こす前に意識の転換が起きていた人は7割以上であった。第3に転換には多くの悩みや葛藤があり、それらを乗り越えるための要因としてはパートナーやサポーターなど、人からの支援を挙げられた。
|