研究課題/領域番号 |
18K11777
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
東 悦子 和歌山大学, 観光学部, 教授 (00362856)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 移民の歴史 / 北米と南米 / 移民の遺物 / 移民の記憶 / 地域と連携 / 成果の公開 / 目録化 / 展示会 |
研究実績の概要 |
<研究内容>令和4年度もひき続き和歌山県・那賀地方からの米国移民の資料に関して調査をすすめた。①那賀地方の資料は令和2年度に資料目録を出版することができたが、さらにアルバムなどの資料の提供があった。資料提供者に、親族が移民されていた当時の思い出や現在も米国に暮らす親族との交流などについて聞き取りを行った。②米国で使用された教科書などの書籍(児玉家資料)の確認と目録化をすすめた。③北米を主たる調査対象としてきたが、戦後の南米移住の再開に尽力した松原安太郎(和歌山県みなべ町出身)の生誕130周年記念の年であったため、松原に関する情報収集にもあたり、和歌山県中南米交流協会と連携し、その成果をパネル展示として公開した。
<成果>①「移民をめぐる記憶と遺物の保存と継承」という点において、前年度につづき一定の調査がすすみ、さらに目録化を進めることができた。②北米だけでなく、南米移住に関して、松原安太郎という先人を取り上げて展示会を行うことによって、一般および学生にも和歌山県の移民の歴史に触れる機会を提供し関心を高めることにつながった。研究代表者のゼミ生は移民に関わる団体代表やブラジル生まれの2世に聞き取りをおこない、和歌山県中南米交流協会主催のシンポジウムでグループ発表をすることにつながった。以上の点を通して、地域に組織されている団体との連携を密に図ることができた。また次世代への継承につながる活動が生まれたといえる。
<課題>①資料の目録化では、言語の点(旧漢字、旧仮名遣い、英語)で協力者を依頼するのが難しく、目録化の進捗にも影響することが懸念される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナ感染症の影響もあり、令和4年度も海外調査は叶わなかったが、これまでの移民資料の目録化が、新たな資料の提供につながり、これまで程に数は多くないものの、それらの目録化を進め、資料提供者に聞き取りも行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度にあたり、①これまでの成果を整理し、まだ公開されていない目録や資料のうち公開の承諾が得られた資料を何らかの形(冊子あるいはリーフレットなど)で出版し成果を公開する。②展示会を開催することによって寄贈資料を公開し、学生や市民を対象として、和歌山県における移民をめぐる記憶と遺物の公開をおこない、それを通して移民した人々の記憶を継承していく一助とする。③聞き取り調査(対象:和歌山県内において移民を多数輩出した地域の住民、可能であれば海外和歌山県人会員)
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次年度使用額が生じた理由 |
主たる理由は、海外調査ができなかったためである。次年度は新型コロナウィルスの5類移行に伴い行動制限が解除されるため、海外調査用の旅費に使用する。
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