研究課題/領域番号 |
18K11780
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
榎木 美樹 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 准教授 (60782927)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 改宗を経たインド人仏教徒 / 亡命チベット人 / 協働・連携 |
研究実績の概要 |
新型コロナウィルス感染症対策の渡航制限ため、現地調査が全くできなかった。 改宗を経たインド人仏教徒の動きを把握するため、マハーラーシュトラ州を中心に活動するインド人活動家にオンラインでの聞き取り調査を行った。2020年度から本格化し、世界的に感染が拡大している新型コロナウィルス感染症対策に伴う移動や接触制限のため、これまでのような活動ができない中での状況や将来の展望について聴取した。仏教徒は経済的貧困層が大多数を占め、これまでは中東やアフリカ諸国への出稼ぎ労働や、インド国内でも県境や州境を越えて都市部で行っていた出稼ぎが制限されていることで、収入が大幅に減少した。またCOVID-19感染によって死亡したケースも多発した。 チベット仏教徒の動きとしては、これまで頻繁にインド人活動家を定住地に受け入れて情報交換やイベント開催をしてきたが、今般の新型コロナウィルス感染拡大に伴って、定住地そのものがロックダウン(都市封鎖)の対象になり、ヒトもモノの流れも閉ざされて陸の孤島と化している。こういった現状をオンライン調査で実施した。国外支援ドナーの人定往来が停滞していること、海外支援団体・支援者の資金状況が悪化していることによる支援金の減額などにより、コロナ以前よりは規模を縮小して交流や活動が行われている。 インド側・チベット側双方の人流・物流が制限されていることから、両サイドで盛り上がってきていた協働・連帯の活動の停滞が顕著であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の世界的大流行の影響に伴う渡航制限で、全く現地調査ができていないため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染症の世界的な流行は継続しており収束の目処は立っていない。したがって、渡航制限や移動制限は今後も継続すると見込まれる。 この状況を踏まえ、臨地調査の比重を減らし、オンライン調査で代替して研究の内容と質を確保する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症対策の移動制限と渡航制限により、2021年度に全く現地調査が実施できなかったため、予定していた現地調査費用が全額次年度に繰り越されたため。 コロナ禍状況が改善次第、渡航して計画した調査を実施する。
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