本研究はポスト紛争期のミャンマー・カレン州農村部における障害者の生活実態の把握及び有効な支援のあり方の検討を目的とした。州内10村1895世帯への訪問による量的調査と対象地域在住障害者とその家族10名への半構造化面接による質的調査を実施した。 量的調査から「障害者の教育・職業での社会参加制限の著しさ」「障害者による宗教や難民キャンプなど代替資源の活用」「障害男性に比した障害女性の社会参加の乏しさとその自己認識の薄さ」が明らかになった。質的調査から「叔父叔母甥姪というセイフティネット」「タイという生計資源」「近隣住民との両価的関係」「多面的重層的支援資源である宗教」がキーワードとして抽出された。
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