研究課題/領域番号 |
18K11789
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
平島 みさ (奥村みさ) 東洋大学, 社会学部, 教授 (40296942)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | シンガポール / 英語化 / エスニシティ / 華人 / 文化継承 / 文化遺産 / 多文化社会 / ミュージアム |
研究実績の概要 |
初年度の研究成果としては、以下の論文・コラムと2回の国内外での研究発表を実施した。①【論文】「シンガポールの英語化による文化変容と華人アイデンティティの表出の多様化--英語化の進行と新華僑の増加の視点から--」『華僑華人研究』第16号、日本華僑華人学会、2019年度刊行予定。(2000年以降、シンガポールでチャイニーズ・ミュージアムが続けて5館開館されたのは華人アイデンティティの多様化を可視化しており、英語化の進行と新華僑の増加をその要因として議論・分析した。)②【コラム】「3つの校章の物語ー幼きイエス会設立ミッションスクール現地化の多様性」『日本カトリック教育学会特別企画シンポジウム報告集』、日本カトリック教育学会、2019年度刊行予定。(フランスの女子修道会である幼きイエス会は最も早期にアジアで教・福祉・教育活動を開始した修道会である。マラヤ、シンガポール、日本での活動を比較し、その教育活動が現在、独自のかたちで現地化している現状を比較検討した。)③【国際学会シンポジウム発表】“Kyoto Speaks out: how the international toursts are changing the way of communication patterns and the social discourse of the people of Kyoto", International Association of Sociology, 20 July 2018, Toronto. (京都祇園のオーバーツーリズムとその問題解決に祇園らしい感性とデザインで産学共同で取り組む実態調査を報告した。)④【学会発表】「新華僑が変えるシンガポール華人社会―ミュージアム活動にみる華人エスニシティ表出の多様化-」、日本華僑華人学会、2018年11月17日、東洋大学(①の学会発表)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
まず、幸いなことに世界的な社会学会であるISA(International Sociological Association)での研究報告に採用され、2018年7月にトロント大会にて研究発表をすることができた。その際にバルセロナやサンパウロの事例を発表した研究者たちと貴重な意見交換が実施できたことは、予想外の成果であった。 また、2018年11月は勤務校(東洋大学)にて日本華僑華人学会が開催され、その運営と研究発表の両方に携わる機会を得、さらには同学会機関誌にも投稿することができたことも、三重の成果となった。 さらに、2019年9月に実施したシンガポールでの調査では、プラナカン協会の元会長にも自宅に招かれ、貴重な資料やコレクションを拝見しながらインタビューができたことも予想以上の成果となった。 以上、初年度2019年度は多くの研究機会と出会いに恵まれ、予想以上の成果を上げることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は2018年度の成果を踏まえ、さらに研究を進め研究成果を公刊できるようにしたい。具体的には夏季休暇前には2018年度に収集した資料を分析、整理し、そのまとめた内容をもとに、夏期休暇中の海外調査に臨む予定である。 特に、2018年度に収集したプラナカン関係インタビュー、資料の裏付けの調査を実施予定である。最終的には論文の形にまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定した旅費よりも実費が安くなったので残金を次年度に繰り越す。
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