研究課題/領域番号 |
18K11789
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
平島 みさ (奥村みさ) 東洋大学, 社会学部, 教授 (40296942)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | シンガポール / 英語化 / 伝統文化継承 / 歴史観 / 二言語教育 |
研究実績の概要 |
今年度の研究成果としては、以下の論文とコラムを発表し、8月はシンガポールへ出張調査、さらに4つの学会に参加して情報収集をした。①【論文】「シンガポールのミュージアム活動にみる華人アイデンティティ表出の多様化―ディアスポラ、ローカリティ、ハイブリディティ―」、『アジア文化研究所研究年報2019年 第54号』所収、pp.142-158。2020年2月28日発行。②【コラム】「3つの校章の物語ー幼きイエス会設立ミッションスクール現地化の多様性」『日本カトリック教育学会特別企画シンポジウム報告集』(日本カトリック教育学会)の初校が上がり、近日出版予定。 8月には、シンガポールにて出張調査を実施した。特に、国立博物館の新展示、華人系の二つのミュージアム、Chinese Heritage CentreとChinatown Heritage Centreは重点的に調査し、それらの成果を①の論文に活かすことができた。また今年2019年はシンガポールにおいては、スタンフォード・ラッフルズ卿のシンガポール上陸200年を祝う年となり、様々な記念行事が実施され、論文やコラム等も発表されたので関連資料を収集することができた。 学会参加としては、オーストラリア学会(6月、於:青山学院大学)、文化経済学会(6月、於:名城大学)、日本国際文化学会(7月、長崎大学)、日本社会学会(10月、東京女子大学)にて情報収集に努めた。 収集した資料、情報は次年度には口頭発表か、論文等の形で公表したいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は全体的には順調に進展しているが、以下3点が予定とは異なる結果となった。 1.令和元年度(平成31年度)に英国へ調査に行く計画であったが、令和元年(平成31年)7月に、令和2年度に所属大学(東洋大学)から英国Cardiff大学へ1年間交換研究員として派遣されることが決定したため出張予定を変更し、この年度には当初予定していた英国には出張せず、シンガポールでの継続調査に切り替えた。 2.使用していたノートパソコンが起動しなくなったため出張調査に支障をきたすこと判明し、当初は予定していなかったが、英国出張用に計上していた旅費のうちシンガポール出張で使用した旅費を差し引いた残高からノートパソコンを購入した。 3.昨年度発表予定であった「「シンガポールの英語化による文化変容と華人アイデンティティの表出の多様化--英語化の進行と新華僑の増加の視点から--」は修正事項が生じ校正が投稿期限に間に合わず、現時点では未発表の状態であるため、改めて学会誌等に投稿予定である。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年1月頃からの新型コロナウィルス感染拡大によって、令和2年度の研究計画の変更を余儀なくされている。 当初は4月1日より渡英の予定であったが、3月19日に所属大学から渡航延期の通達を受け、現在待機中である。可能であれば年度中に英国にて現地調査を実施する。シンガポール国家文化遺産局の政策作成のモデルとなったイングランド文化遺産局(English Heritage)の活動調査、大英図書館・イギリス国立古文書館で植民地時代の現地教育資料調査、担当者への聞き取り調査を実施する予定である。なお渡英の諸費用(航空券等)は所属大学が負担する。またこれも可能であれば、シンガポールへも7日間程度1回出張し、データや情報の更新、事実確認などを実施し、本研究をまとめる研究発表を学会か研究会で実施したい。その後、これまでの研究成果を著書にまとめるべく原稿を執筆することができればと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
英国へ出張する予定を変更してシンガポールに出張したため、旅費に残高が生じた。
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