研究実績の概要 |
本研究は、グローバリゼーションの進展に伴い重視されている移民研究のなかで「移民第二世代」の現状を明らかにすることを目的とする。調査対象地域は、研究代表者が1997年から研究・調査を継続しているバングラデシュからの移民が増加傾向にあるアメリカ合衆国のニューヨーク市を選定している。具体的には、ニューヨーク市への移住が貧困問題の解決や本人および家族構成員のウェルビーイング向上に結びついているのか否かといった視点から現状を分析する。この問題視覚から、イスラム教徒が大多数を占めるバングラデシュ出身の移民第二世代が、アメリカの社会構造のなかでどのような問題を抱えているのかを現地調査を通して明らかにする。そうした点から、国際間における移民政策の課題を明らかにし、移民のウェルビーイング向上に求められる政策を国際社会に提起することを目的とする。 2020年度は新型コロナウィルスによる影響から現地調査を行うことが出来なかったが、先行研究の収集と分析、質問項目の検討を行ってきた。ニューヨーク在住の研究者等から現地の状況について適宜情報を収集してきた。また、これまでの現地での調査内容をまとめて執筆したり、各国・地域で行ってきた調査内容との比較検討を行ったりしている。 さらに、Centre for Refugee Studies Student Caucus(CRS),York University - Centre for Research on Latin America and the Caribbean(CERLAC) Virtual Student Conference, Recognition, Agency, and Deservingness: (Re)framing Refugee, Black, and Indigenous Movements (February 26-27, 2021) のほか、国内外のオンラインセミナーにも参加している。
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