彭明敏・元台湾大学教授が国民党一党支配体制を批判した「台湾人民自救運動宣言」を作成した経緯や逮捕後の自宅監視の中を海外脱出した経緯はこれまで謎の部分が多かったが、本人をはじめ関係者への聞き取りや関連資料の収集・分析で、全容を明らかにすることができた。それにより、台湾の民主化に対する彭明敏氏の貢献を明確にすることができた。 海外脱出の経緯では、日本の支援者が大きな役割を果たしたことが明らかになった。支援者たちは自由や人権という価値観に共鳴し、自らの危険も顧みず、会ったこともない外国人の彭明敏氏を手助けしており、台湾が独裁体制だった1960年代から深い「日台の絆」が存在していたことが証明された。
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