研究課題
本研究の目的は、東北アジアにおける温暖化対策の違いの要因、および政策協調による環境・経済への影響を分析し、国際協力を促進する温暖化対策シナリオ を提案することであった。2018年度は日本・中国・韓国における国際協力を妨げる要因を考察するために、各国で実施されている温室効果ガス削減対策を調査した。また、国別温室効果 ガス削減目標を中心に、各国における主な対策についても調査を行った。2019年度においては、昨年度に引き続き国際協力を促すための要因分析を行うとともに、各国における温暖化対策に関する最新情報を収集し、より現実的なシナリオ構築を試みた。本研究で使われる基本モデルを構築し、様々な分析を行いながらモデルの改善を行ってきた。2018年度と同様に、日本と韓国における国際協力を想定し、各国の政策だけではなく、特定の分野(風力発電分野)における国際協力が両国にどのような影響を与えるかに ついてモデルを構築し、改良・分析を行った。まだ、改善の余地があるため、研究成果は公表していないが、これからモデルを補完し、公表する予定である。
2: おおむね順調に進展している
理由研究計画では、1~2年目は文献・ヒアリング調査を通じて国際協調を妨げる要因に対していくつかを仮説を立て、要因分析を行うとともに、既存の国際協調メカ ニズムとの違いも明らかにすることであった。また、二国間の国際協力による効果を分析できるモデルを構築することも昨年度における重要な内容であった。2019年度においては要因分析のための文献収集やシナリオ構築のための情報収集は継続して行ってきた。また、二国間におけるプロジェクトベースの温暖化対策の影響を分析するためのCGEを構築した上で、国際協調を踏まえた排出削減に関するいくつかのシナリオを設定・分析することもできた。
今後の研究推進方策としては、当初の計画通り、モデルの構築とシナリオ分析を行う予定である。特に、ABMを構築し、国際協調を妨げる要因分析を行うことが 重要な課題である。そのため、海外の研究行力者との連携をし、モデルの分析結果から、日本・中国・韓国における国際 協調 を促進する新たな国際協力メカニズム改良・プロジェクトの選定などを行う予定である。新コロナウィルスによる影響で現地を訪問したり、共同研究会を開くことは難しいが、当初の計画通りの研究成果を上げるための推進体制を構築し取り組む予定である。
年度末に予定していた海外調査および学会への参加が新コロナウィルス問題でできなかったことに加えて国内においても共同研究者との研究会が開けなかったことである。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 図書 (2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
Applied Energy
巻: 259 ページ: 114196
10.1016/j.apenergy.2019.114196
SSRN Working Paper Series
巻: - ページ: 34144208