研究課題/領域番号 |
18K11801
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研究機関 | 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター |
研究代表者 |
川村 健介 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 社会科学領域, 主任研究員 (90523746)
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研究分担者 |
小林 慎太郎 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 社会科学領域, 主任研究員 (10508550) [辞退]
浅井 英利 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 生産環境・畜産領域, 主任研究員 (30599064)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 精米品質 / 画像診断 / ラオス / 市場価格 |
研究実績の概要 |
コメ生産の自給を達成したラオスでは,稲作の目的が自給から市場へと変わりつつある。今後,コメの輸出増加を推進しているラオスの存在は,世界のコメ市場にも大きな影響を与える可能性を秘めている。その一方で,ラオス市場で売られている精米には,その価格を決める等級の基準が無いうえ,多様な民族と多数のイネ品種を抱えているために地域ごとのニーズも異なるという問題がある。 そこで本研究課題では,近年の技術進歩が著しい画像診断技術を活用して,国内市場で販売されている精米の形質(サイズ,整粒割合,色など)を網羅的に定量化し,ラオス全域の消費者アンケート調査によって市場価値の現況(潜在的市場価値とその農家所得への波及)を明らかにする。 ラオス北部・南部・都市部の市場調査によって収集した精米サンプルの品質評価にかかるタンパク質の化学分析を完了し,精米サンプル1,368点のデータセット(市場価格,形質情報,タンパク質)のとりまとめが完了した。このデータセットを使用した精米の外観形質と市場価格の関係を分析した結果,市場価格に影響する形質情報のうち,精米の「整粒割合」と「円形度」,「長さ」の寄与が大きく,またその傾向は地域によって異なり,特に都市部で精米の外観形質(見た目の良し悪し)が市場価格へ強い影響力を示す傾向にあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
予定していたラオスへの渡航が中止となったため,イネ研究センターに設置した画像計測機器(グレインスキャナー)の画像データ及び精米サンプルの回収作業の実施が困難となったため。 データの回収は,現地の研究協力者に依頼し,メール及び郵送で対応した。画像計測機器は,本課題の補助事業期間を来年度までに延長することが承認されたことから,次年度のラオス出張時に撤収作業を実施する予定で研究協力者に引き続き保管を依頼した。
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今後の研究の推進方策 |
現地に設置した画像計測機器の撤収作業及びデータの回収作業を完了させる。また研究成果の最大化に向けて,学会発表および論文執筆を精力的に進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
ラオスへの渡航が中止となったことに伴い,データ回収等の作業も遅れ,当初計画していた予算執行が困難となったため。本課題の補助事業期間を来年度までに延長することが承認されたことから,次年度のラオス出張時に機器およびデータの回収作業を予定であるが,渡航が困難となった場合には,研究成果の学会発表及び論文執筆にかかる国内旅費及び論文掲載費に使用する。
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