質的研究方法による朝鮮人「満洲」移民研究は、まだ始まったばかりの萌芽的な研究である。本研究では、文献資料によるマクロな視点および朝鮮人「満洲」移民体験者のライフヒストリー(生活史)によるミクロな視点を組み合わせて、朝鮮人「満洲」移民問題を多層的な視角から考察した。本研究の学術的意義としては、歴史学と社会学の研究手法の融合を試み、朝鮮人「満洲」移民体験者の生活史に多面的にアプローチすることができた。研究成果を所属の学会と研究会のほか、市民講座や公開講座などでも積極的に発信している。本研究の社会的意義としては、今後における東アジアと日本の人々の共存・共生にとって、示唆を与えるものである。
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