アフリカにおける森林減少は農村地域の貧困問題と密接に関係している。従来の環境保全研究は、森林を人為的影響から隔離したり、劣化した植生を修復することに主眼を置いていため、そこから導き出される実践の方策は「利用できない森」の守り方、育て方であった。それは、森林資源に依拠して生計をたてている住民には受け入れ難く、軋轢を生じてきた。これに対して、利用するからこそ森が形成、維持されるという逆転の発想にたつ本研究の成果は、人間活動を排除しない環境保全策のモデル化に寄与するもので、住民の理解を引き出しやすく、普及可能性が高い。
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