研究課題/領域番号 |
18K11806
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
坂井 真紀子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (70624112)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 定期市 / 野菜生産 / カメルーン西部州 / 伝統的首長領 |
研究実績の概要 |
本来は2021年度が本研究の最終年度であったが、2年にわたるコロナ禍の影響で現地での調査が不可能な状態が続いているため、1年間の繰り越しを行った。当初予定していた計画では、初年度に選定したカメルーン西部州における複数の伝統的定期市とその中心的存在であるチャン市の中央市場の関係性を、人の流れおよび物流の両面から調査する予定であった。その上で、市場の担い手である女性野菜売り、仲買人、近隣の生産者など主要な社会アクターの関係分析を予定していたが実施できていない。2019年に、前倒しで各市場と地域をつなぐ主要アクターであるバイクタクシーに関する包括的なアンケート調査を実施できたことは幸いであった。このデータを元にしてフランスの国立社会科学高等研究院(EHESS)/日仏財団の学術誌への論文投稿、さらには2020年に共著として研究成果を発表することができた。今年度は現地調査を断念し、歴史的観点からバミレケ社会における8日間周期の定期市の成り立ちの背景に、伝統的首長領の存在が大きく関与している点を文献研究から明らかにした。伝統的な8日間カレンダーに従って首長領の行事が毎年催され、各首長領の定期市の日程が規定されていることが明らかになり、その日常のリズムがバミレケ社会のアイデンティティ形成に大きく影響を与えていることが明らかになった。現代においてもなぜ8日間のカレンダーをかたくなに利用し続けるのか、という疑問への答えを見つけることができた。その結果を2021年度日本アフリカ学会第58回学術大会において口頭発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度につづき、2021年度も世界的なコロナ禍の影響により、カメルーンへの渡航が不可能となった。そのため予定していた現地調査を実行することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は最終年度となる。2年間現地調査を行うことができず、当初予定していたデータ収集は難しくなったが、最終年度に現地調査を少しでも行い補填するとともに、入手している情報を駆使して論文による最終報告を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度、2021年度と2年続けてコロナ禍の影響で予定していた現地調査を中止したため、助成金の繰り越しを行わざるを得なかった。2022年度は、カメルーンへの渡航の可能性が出てきたたため、夏の現地調査を行う予定である。
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