研究課題/領域番号 |
18K11806
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
坂井 真紀子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (70624112)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 定期市 / 野菜生産 / カメルーン西部州 / 伝統的首長領 / バイクタクシー / サブサハラアフリカ |
研究成果の概要 |
本研究では、カメルーン西部州に現存する8日間周期のカレンダーに基づいて開催される定期市が、地域活性化に与える社会的影響を分析した。この研究の特徴の一つは、地域研究の古典的テーマであった定期市が、当時の予測に反してグローバル化の中で再活性しつつある事例を取り上げ、地域再生のキー概念として新たな意味づけを試みる点であった。さらに、各地域内の事例研究に閉じがちであった従来の地域研究を開放系へとシフトさせ、国際情勢や地域の政治動向とも絡めた複眼的分析を試みる点もその特徴の一つであった。コロナ禍の影響で現地調査は不十分だったが、野菜小売商と定期市サイクルをつなぐバイクタクシーへのアンケートは行えた。
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自由記述の分野 |
農村社会学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果として、定期市に関わる野菜の小商いの女性たちや定期市をつなぐバイクタクシーの和歌もなど、様々な社会的アクターへのインタビューをとおして重層的な成熟社会の姿の解明する端緒はつけることができた。社会階層の違い、稼ぎ出す現金の多少、活動規模、学歴などにかかわらず、誰もが同じ存在価値を持って生きることができる多様性社会のあり方の一片は少なくとも明らかにすることができたと考えている。この結果は、アフリカの一地域の閉じた事例研究をこえて、行き過ぎたグローバル資本主義によって衰退する「地方」において、再び根を張り社会を活性化するための何らかのヒントをもたらすものである。
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